人類適合率0.002%
「大佐、人類のミッドポイントのミッションがあります」
男はそう言った。
男の名前は、佐部佑。
タスクの愛称で呼ばれている。
「そこには何があるのだね」
相変わらずタバコを咥えている。
「僕のお父さんの書類を制作している機関があります」
美咲は、ゆっくりと、消していく。
「もうこの世界に何も残らないほどの、力‘‘修復‘を作った男だぞ」
そうなのだ、実はその男に憧れていた過去がある。
「実は、よくわかります」
彼がしてきたものは、世界を相手にするものだ。
「何度も聞くが、今は魔道化学が進んでいる」
手に持っているものは、その結晶体である、‘スフィア‘。
「スフィアはどうしていいと」
しばらくの沈黙の後。
「ああ、ちょうど君が‘‘産まれた‘‘ことが、世界に対してどうして有効なのかを。そのお母さんと話をしているところだ」
「私は関係がない」
映像を見る。
「どうして関係がないと」
一人の女性がそう言って、泣き叫んでいる。
「私は科学者だ、もう人類に未練はない」
目の前の女性がびんたをした。
‘スフィア‘の情報がなくなった。
「この次の世界が私たちのものだ、タスク、修復をしてお前には罰がある」
「はい」
「それは、不死身の体を得てしまったことだ」
そうだ、俺は不死身だ。
だから、俺は……
「ご父上を救いに行きます」
「わかった」
スフィアの力ですべてがメタ的に解明された世界。
人類がこの先どうしていくか。
それらもすべてはスフィアの通りにしなければならない。
この男佐部佑。
「人類のミッドポイントに行きます」
「ああ、最後に人類適合率の話をする」
剣はメモを開く。
「0.002%がお前の神へと至らせる仕組みだ」
そのメモを投げ捨てた。
「ありがとう先生」
「ああ、一時間で用が終わる。帰ったらシャンパンファイト」
「まだ17です」
「気にするな」




