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地鳴らし
「最後のあなたかもしれない」
マイは言っている。
「そう⋯⋯ なのかもしれない」
背中、彼女が抱きつく。
「未来をッ!」
うん。そうだね。
たくさん話した。
だから、もう。
「今度はよ、俺が助けに行くんだ」
「タスクッ!」
夢中でしがみつく。
彼女の目には、希望が詰まっていた。
「未来をッ、未来をッ!」
「うん、わかった」
「取り返してッ」
キンコーンカーンコーン。
鐘が鳴る。
悲鳴が世界中で、広がる。
時は過ぎる。
「アレキサンドリア大王、地鳴らしてます」
配下の誰か、が、呟く。
「うむ、問題ない」
「決着だ、友よッ!!」
大いなる雷のように、暴言を放つ!
髪は、赤。
斑色の目をしていた。
曲が流れる。
マイはピアノを弾いていた。
「ケーズデンキ⋯⋯」