おるすばん
三題噺もどき―ひゃくよんじゅうさん。
※全部平仮名です。読みにくいかも※
お題:全自動洗濯機・チョコレート・みかん
ゴウン―ゴウン―ゴウン―ゴウン―
「……」
おうちのそとでは、あめがふったりやんだり。
ざーざーしてたり、しずかになったり。よくわからない。
「……」
ぼくのめのまえでは、らんどりーしき、のぜんじどうせんたくきというものが、ぐるぐるまわってる。
ぐるぐるまわるなかには、ぼくのようふくとか、おきにいりのたおるとかがはいってる。あと、おかーさんのふくも。
おとーさんのは、いっしょにはいっていないみたい。
だってよこにおいてるかごのなかにはいってるもの。…ちょっとくさい。
ゴウン―ゴウン―ゴウン―ゴウン―
「……」
ぐるぐるまわる、ぜんじどうせんたくき。
ぜんじどうせんたくきってちょっと、いいにくいなぁって、おもいながら
「ぜんじどうせんたくき」
て、いってみる。
―やっぱり、せんたくきでいいかもしれない。
らんどりーしきのせんたくき。
せんたくき、もちょっといいにくい。
でもおかーさんは、そういうから、がんばって、せんたくきってだけ、いえるようになってみたい。
ゴウン―ゴウン―ゴウン―ゴウン―
「……」
まだ、まだ、まわってる。
ぐるぐるぐるぐる。
ぼくは、ひざにいる、ねこのにんぎょうといっしょに、ながめている。
ゴウン―ゴウン―
「……」
ほんとうは、きょうは、おかーさんと、おかいものにいくことになっていたんだけど。
おそとにいくまでのじかんがながすぎって、いきたくなくなったの。
おかーさんのじゅんびをまってるあいだに、ここにすわってて。
そうしたら、もう、ここからはなれたくなくなって。
ぼくは、ねこさんといっしょにせんたくきをながめながら、おるすばんしてる。
ゴウン―ゴウン―
「……」
ぼくがすわってるのは「脱衣所」っていうところ。
おふろにはいるときに、ようふくをぬぐところだ。
ぼたんをおすところに、かいてある。
これは、おふろ。これは「脱衣所」っておかーさんがおしえてくれた。
ゴウン―ゴウン―
「……」
さっきおかーさんが、おかいものいくときに、ほんとにいかないの?ってきいてきた。
でもぼくはもう、いきたくなくなったから、いかない。っていった。
だっておかーさん、じゅんびがながいんだもん。
そんなにまってたら、もう、いかないのかなーっておもって。
じゃあ、きょうはもうなにもしないんだなーっておもって。
ここにすわって、せんたくきでもみてみようかなーってなって。
ゴウン―ゴウン―
「……」
そういえば、おかーさんにおねだりをしたんだ。
もう、ぼくはいっしょに、おかいものいけないから。
ぼくのだいすきな、チョコレートのおかしと、みかんジュースをかってきてって。
チョコレートは、あめみたいに、くるくるってなるやつ。たくさんだべられるから、だいすき。
あんまりたべると、おこられちゃうから、おやつのじかんに3こだけたべてる。
たまに、おとーさんがこっそりくれるけど。
それは、おかーさんには、ないしょ。
ゴウン―ゴウン―
「……」
そうだ、みかんジュースは、ちゃんとかってきてくれるかな?
ぼくは、「100パーセント果汁」ってかかれてるのが、すきなんだ。
それが、とってもおいしかった。はじめてのんだときは、びっくりしたぐらいに。
だから、それをかってきてって、いいたかったんだけど。
わすれてたなー。
でも、おかーさんなら、わかってくれるかな。
―でも、やっぱり、わかってくれないかもな。
ゴウン―、
「……」
ぐるぐるまわるせんたくき。
もういちどいってみる?
「ぜんじどうせんたくき」
ピ――――
「「がちゃ」」
げんかんがあいたおと。
「ただいまー」
おかーさんだ。
かえってきたみたい。
ちょうどせんたくきも、とまったし。
ぴーっていうおとは、すこしびっくりした。
「おかーさん」
おねがいしてた、チョコレートとみかんジュースをもらいにいこう。
あ、もちろん、ねこもわすれずにつれてくよ。