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チェス・レンバーズの世界探訪記

作者: RYO

揺らぎー

それは魔力場が安定していない場所のこと。魔力場とは魔力における磁場のような場所で、通常その土地ごとで様々な魔力が噴出している。魔力は世界を循環して一定の魔力が星の中と外とを行き来している。その異常な魔力の噴出が「揺らぎ」だ。俺は王族執務室調査班補佐官の一人、カイン。自分で言うのもなんだが13歳と史上3番目の若さで執務室試験に合格し、訓練校での5年、地味な会計班で1年、医療班で2年、そして遂に念願の調査班に配属された。俺の未来は明るい!そう思っていた。広大な土地を持つウェルヘルム王国の中でも辺境の山村出身である自分は、村の星であり、環境の整った都会での学習は必要ないんだと証明し、地方出身者の星になれると思っていた。でもー


「俺の創った魔法魔術、お前になら安く売ってもいいぜ?」


頭の中の皮算用を終えたチェスのしたり顔を見ると無性に腹が立つ。が、世界法によって指定された21人の高位魔導師(通称ベクター)の序列7位であり、その中でも4人しかいない希少な魔法魔術創成士である彼に逆らえる者はそうはいない。

たとえどれだけ傲慢であっても、どれだけ金に意地汚くても、信じられないほど方向音痴で辿り着く先々で「揺らぎ」が引き起こす事件に首を突っ込もうとも、下っ端調査官のカインは口出しはしない。

彼はあの戦争の英雄の一人でもある。あの魔女戦争を終わらせた立役者だと皆がこぞって言うのだから、人としていくら終わっていようとも、尊敬できるところがあるはずだ。と思っていた。でも彼の補佐役を務めた17人は大方2週間保たなかった。彼に振り回され続けた補佐役たちは異動願いを出したり、王族執務室を辞めたり、中には突然失踪したり・・・。

チェスの補佐役としてあてがわれたのが自分で19人目であるものの、前任者はなんと半年間チェスの補佐役を務めたあと、三階級昇進し、今では護衛班に入室し、凄まじい活躍をしている。自分も早く護衛室に行きたい、その想いがカインの原動力となり、チェスの無茶振りにも耐え早10日経過した夜、事件は突然起きた。


「カインくん、おめでとう」


「はい?」


自分でも間抜けな声が出たのが分かったが、それよりもチェスがお礼を?俺に?ー


「俺も補佐役にこんなことを言うのは初めてだよ、君はクビだ。今すぐ俺の前から消えてくれ」


「は?」


俺が辞めることはあっても、クビを切られる覚えはないぞ!?

ー王族執務室の種類ー

護衛班 王族の運営を担う

調査班 揺らぎ調査、魔法の創成を担う

審問班 裁判、犯罪捜査を担う

会計班 会計、税金徴収を担う

食糧班 農業、畜産業を担う

技術班 工業、産業、インフラ整備、武器製造を担う

医療班 中央病院の運営、地方分院の運営を担う

教務班 訓練校の運営、ギルド管理運営を担う


チェス・レンバーズは執務室所属ではあるものの、より高位な組織である世界機関の全魔導連盟にも所属しているため、ウェルヘルム王国の王族命令よりも世界機関である全魔連の命令に従う義務がある。


カインの調査班での席次は50名中、50番目。

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