実験
アインのフォロー?を聞いた後、僕は最後の残ったバルーンを一通り割った。
「アインデータは集まった?」
『はい。ですが、実戦データが不足していて、まだ新武装の設計は終わっていません。』
「そうなのか……やっぱり新しい武器を創るのは難しいのか。」
いくらアインと言えど、武器の設計には時間がかかるんだ。
『マスター、このあと時間ありますか?
時間があるのでしたら、射撃データも集めたいので、森や山のように人が全然来ない所で射撃データを取りたいです。』
なんとなくだが、格闘戦をした後は射撃をさせられるのかな?なんて思っていたけど、本当にやるとは……
まぁやる事もそんなに無いから別に良いんだけど。
「解った。それだったら、ここから一,二キロ離れた所に確か山とか森があるはずだからそこに行こう。
あと変身は…」
『マスター。武器も変身も大気中にある魔力を、コンデンサーのようなものに貯めた魔力で生み出しているのです。
その中でも一番魔力を消費するのが“変身„なのです。』
「じゃあ武器を創るのはそんなに魔力消費しないの?」
『確かにそんなに沢山は消耗しませんが、創るパーツの量や大きさ、複雑な形をしていると、使う魔力はどんどん増えます。』
とりあえずなぜ変身を解いてはいけないのかは理由は解った。
「でもこの姿、絶対目立つから!」
そう、こんなスタイルの言い少女が歩いていたら、絶対目立つ。
そして、マンガやアニメとかでよくあるようなナンパされるだろう。
『大丈夫ですマスター。ビルの上をピョンピョン飛んで行けば……』
「怖くてできないわ!」
普通に落ちた時を想像して怖じ気づく。
『ではマスター。大人しく、視線に晒されてください。』
「言い方が……」
こうして僕は廃ビルを出た。
「…おい、あそこにいる女の子めっちゃ可愛い…」
「…そうだな。」
「……すごいわあのスタイル。何食べたらああなるのかしら?」
結果、大通りから出た僕は歩く人の男性、女性関係なく沢山の視線に晒された。
『マスター。さすが……』
「それ以上言わないで……マジで死ぬよ?」
アインが誉めようとしたが、それをされると本当に惨めになる。
僕は恥ずかしさの余り、顔を下に向けて小走りくらいの速さで歩く。
「うわっ!」
しかし、急いで場を離れようとする余り、人にぶつかってしまった。
体格が良いのか、僕の方が少しよろける。
「チッ。気をつけ…」
僕はぶつかってしまった人に謝ろうと顔を上げると、そこには柄の悪い男の人がいた。