決闘3
申し訳ありません…書いている途中で一部おかしくなっている所が出てきてしまい、ちょこちょこ書き直しています。(+一部のキャラクターの服装など)
感想などで、少しおかしい所や矛盾点を教えてくださると、とても嬉しいてす。
僕は嘉多山さんよりも少し離れた所に立ち、アインに“フルプレートナイト„にしてもらった。
「昨日と同じ格闘戦でワタシと戦うつもりね。
どれ程の腕かはわからないけど、負ける気なんてサラサラ無いわよ!」
嘉多山さんは僕を少し挑発するようにそう言う。
「僕も負ける気は無いです!」
僕は“ショートソード„を作ってもらいながら、それに対抗して力を込めて返答をする。
『マスター、盾は必要ですか?』
アインがそう聞くが、僕は「大丈夫。」と一言伝えておく。
『ヴァルハラさん、もうそろそろ始めるっすよ。』
いきなり周囲から三谷さんの声が聞こえてきたが、周りには姿は無い。
『ヴァルハラさん上っすよ、上。』
僕は声の言う通りに上を見回すと、フィールドの数メートル上にガラスで覆われた部屋があり、そこからマイクで喋っていた。
『それでは、これより戦闘を始めるっす。
レディ…ゴー!』
「では、尋常に勝負っ!」
三谷さんがそう掛け声を言うと、嘉多山さんがいきなり先制攻撃を仕掛けて来た。
「うわっ、いきなり!」
僕は嘉多山の剣を左に避け反撃を試みるが、相手の剣に阻まれ体に当たる事はなかった。
「…やっぱりいい腕しているわね。でも!ワタシに勝てるなんて思わない事ね!」
嘉多山さんの持っている剣は、僕の持っている剣とは装飾などの違いがあるだけで、長さも殆ど変わらない物なので武器の性能では勝利はできない。
「そんなのやってみなければ解りません!」
僕はずっと防戦続きの状況を変えるために、素早くバックステップで距離を取りながら「ピストル作って」と言い、アイン作ってもらった。
「不味いっ!」
嘉多山さんはバックステップでなんとか逃げる僕を追うのを止めて、今度は嘉多山さんが逃げる番になった。
しかし、持ち手が左手な上に僕の腕が悪いのと、アシストが弱いので牽制くらいにしかならない。
「そう言えば、貴方は色々な武器を召喚できるのでしたね。
けれどそんな命中率では!」
嘉多山さんは十メートル以上離れていた距離を詰め始めた。
もちろん僕もピストルでの射撃をして追い払おうとするものの、大体が避けられてしまい、当たっても少し反動を受けて速度が一瞬若干落ちるだけで、倒す事はできなかった。
「くっ!効き目が薄い!」
僕はピストルを嘉多山さんに投げつけ、回避した所に剣を突くようにするが、行動が遅く剣で受け流されてしまった。
「…見た目と言動には似つかない戦い方ね。」
嘉多山さんは笑みを浮かべながら、激しいつばぜり合いをする。
「それは嘉多山さんが本気で戦えって言ったからです!」
僕は右足を嘉多山さんの膝間接を狙い蹴る。
「くうっ…」
嘉多山さんはそれにより一瞬ふらつき、剣に入れる力加減が変わった。
「今だ!」
僕は嘉多山さんの剣を受け流し、後ろに回り込む。
「しまった!」
嘉多山さんは逃げるよりも反撃するのを選び振り返るが、僕の剣は嘉多山さんの正面右肩から、骨盤付近まで斬る。
しかし、ここでのミスは魔法少女は普通の人間のように死ぬ訳では無いので(現に、僕の剣は斬ったと言っても数センチ斬るのが限界だった。)嘉多山さんもダメージを負いながらも僕の脇腹を剣で刺そうとするが、鎧に阻まれる。
キインという音と共に、フィールドには静寂が少し流れた後、嘉多山さんが口を開く。
「…降参よ。貴方の勝利…」
嘉多山さんは、肩を落とし気を落とす。
僕は初めての勝利に喜ぶが、すぐに嘉多山さんの傷が目に入る。
「あのっ!嘉多山さん大丈夫ですかっ?!」
僕は冷や汗を流しながらも、怪我を見る。
「安心しなさい。変身を解除すればすぐに傷は無くなるわよ。」
嘉多山さんはそう言い変身をすぐに解除すると、魔法少女の時とそこまで変わらない姿で何事もなかったように立っていた。
「本当に大丈夫なんですか?」
「貴方は本当に心配性ね…」
嘉多山さんは呆れながらも、少し微笑んでいた。
「じゃあ僕は決闘も終わったので、これで失礼…」
僕は嘉多山さんが無傷であったのも確認できたので帰ろうとした時、目の前にセーラー服を着た小学生程の背丈の銀髪の幼女が不敵な笑みを浮かべて僕を見ていた。




