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秋葉原防衛戦12

アラクネの拳は僕の顔に直撃はせず、眼鏡に掠ってフレームを破壊した。


それに対して、僕の“ロングソード„は胴体にめり込み、見事倒した。


また、おそらく本体であっただろう蜘蛛の部分は、上の人型が倒されたことによって、動かなくなった。


ふぅ…めっちゃ気持ち悪かったなぁ。


『敵の体内からの魔力の分散を確認しました。もうこれで、アラクネは動きません。』


僕はアインの報告を聞いた後、体の力が抜けるような感覚がして、またその場に座ってしまった。


「ふいぃぃぃ……」


『マスター、お疲れの所申し訳ありませんが、この場を離れた方が良いと思われます。

卯月さん達の証言などからマスターの存在に政府が気づく可能性もありますが、この場にいるだけでも相当怪しまれます。』


「…確かに…僕達が倒したのが知られたら、面倒だもんね。」


……できればもうこんなの相手するのは御免こうむりたいとしみじみと思いながら、アラクネの亡骸のある通りを足早に去った。
















「……もしもし、翔大。」


『…光希か!お前どこ行ってたんだよ!』


僕はあの後、電車やバスで帰ろうと考えていたが、電車は止まっていて、バスは来ていたが人が一杯過ぎて乗るどころか近寄るのも憚られた。


それで仕方なく、“フライトユニット„で飛んで帰ろうとしたが、ここで問題が起きた。


“フライトユニット„は十分以上の長時間飛ぶことができないという問題だ。


アイン曰く、魔力式なんたらエンジンは小型で尚且つ、人間一人分を安定して飛ばせるだけの出力を出せる物でなければいけないという、相当難しい問題であり、完璧な物を造るには相当な時間もかかる上に『新しいウェアと武器を思いつきました。』と言って、問題を解決するのを先伸ばしにする気満々そうだった。


ちなみに、未完成の“フライトユニット„だが、一定時間以上使うとエンジンがオーバーヒートを起こして止まるか、爆発するそうだ。


けれども、“フライトユニット„は上手く使えれば強力な物になるのには間違いなかった。


そういう訳で、仕方がないので変身を解かないで走って行き、一目の無い所で変身解除して電車に乗って帰る予定だ。


「ごめんって。怪人が現れた時に人に流されちゃって…」


『何度も電話したんだから気づけよ!』


翔大は叱りつけるようにそう言う。


「あ…そういえばアニラさん達、魔法少女研究会の人達大丈夫だったか解る?」


このままずっと叱られてるのも嫌だし、いくら良い思い出が無いとはいえ知り合いであるアニラさんや難波さん達の事も気にかかっていることの一つだったので聞いてみた。


『ああ、難波さんにはたまたま運良く逃げたシェルターで鉢合わせたから、話は聞けたよ。

アニラさん達の事も話してくれて、他の所だけどシェルターの方に入れさせたって言ってたから、きっと大丈夫。』


「それだったら良いけどさ。」


『そういや光希、お前どうやって帰るんだ?』


「…電車の動いている駅まで歩いて行く予定。」


『ふーん、俺と同じか…あ!電車来たから切るぞ。』


そう言うと、電話からは声は聞こえなくなって、「ツーッツーッ」と着信が切れた音がした。


「……僕も急いだ方がいいな。」


僕はできるだけ急いで帰るようにしたが、結果的には夜の七時位にまでなってしまい、「どこかで怪人に襲われているかと思ったんだよ!」と卯月に叱られてしまった。








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