秋葉原防衛戦11
アインの操縦でまずは糸で迎撃されないように、ひとまずアラクネとは反対方の上空に逃げる。
アラクネの方は僕が敵わないと思い、撤退したのかと上手く勘違いしてくれたようで、卯月達のいる方向へ来た時とは打って変わってゆっくりと歩く。
僕はアインにフライトユニットを方向転換させてもらい、その様子を眺める。
どうやら自分に相当自信があるようで、人間達に負けるはずはないと過信しているようにも見えた。
僕は“ショートバレルキャノン„を投げ捨てると、アインに“ロングソード„を造ってもらう。
そのために展開された魔方陣は、キャノン砲系よりも簡単な構造をした物が展開された後に、弱い光と共に百五十センチ程の白い刀身をした無骨な剣が両手に握られていた。
「やっぱり重いね。」
『だいたい“ショートソード„よりも三倍程にまで上がっています。
ですが、その重さも含めた攻撃力です。』
僕は、眼鏡に付いている機能の一つの望遠鏡を使い敵の姿を確認する。
アラクネは路地を我が物顔で特に警戒もしていない様子だ。
『マスター、ウェアを“ガンナー„から“ノーマル„に変更します。』
そう聞こえると、僕の体を光が包み込みすぐに緑色の長袖ワンピースから真っ白のワンピースに変わる。
「アイン、もうそろそろ仕掛けれると思う?」
『問題は無いと思われます。』
「じゃあアイン、早速仕掛けるよ!“フライトユニット„の操縦とアシストよろしくね!」
『了解!』
アインそう言うと、“フライトユニット„は高速で突撃を始める。
「う、うぁぁぁぁ!!」
風によって無駄に長くなっている髪が全部後ろに下がり、体に若干のGを感じながらも、それはまるでジェットコースターに乗っているような感覚にとても似ていた。
『マスター!黙ってください!』
自分で提案しておきながら、半ばパニックになって叫んでる僕をアインは注意をする。
「そんなこと…ああ!こうなったら運と度胸だ!」
僕は少しヤケになって、自分にそう言い聞かせるようにそう叫ぶように言う。
けれど、流石にここまで叫んでるとアラクネに気づかれてしまい、人型の方が僕の方を振り向く。
「でももう遅いっ!」
僕は左手に持っている剣をアラクネの尾の部分に叩きつけるように振り下ろし、見事半ば刺さった状態にまでなった。
アラクネは他の怪人とは違い、痛覚を持っているようで苦しむように体をばたつかせ、僕を苦しそうに睨み付ける。
その目に僕は一瞬怯え戦う気力が体から抜けるような感覚もしたが、すぐに立て直し剣を横に構える。
アラクネの方は防御は不可能だと感じ取ったのか、相討ちにしようと素手を構える。
そしてその直後、僕の剣はアラクネの胴体に向かい、アラクネの拳は僕の顔にめがけて飛んできた。
作者の集中力が切れたので今回はここまで。




