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秋葉原防衛戦8

『おそらく敵は三分程度で視認できるくらいまで来ると思われます!』


まだ敵を全滅させられていないのに……


「ヴァルハラさんどうかしましたか?」


さっきつい漏れてしまった言葉が気になったのか、卯月が話しかけて来る。


「…実は、大型の敵がこちらに接近してきているようで……しかもあと三分も無いんです。」


卯月はそれを聞いて言葉を失って、何も言えなくなっていた。


「なので、早めに壊滅させたいので急いでください。」


僕は“ロングバレルキャノン„を一度捨てて、“ピストル„を二丁造ってもらった。


理由は、敵はさっきまでとは違い数が結構減ってきているので分散しているため、ロングバレルキャノンだとチャージ時間や間違えて誤射した時が怖いから、まだ誤射しても一撃ではやられなくて、なおかつ当たれば高確率で仕留められるから。


僕は後衛から前衛の方向に向かい前衛の人達の邪魔にならなさそうな所から、ピストルでどんどんと敵を撃つ。


敵もバカスカ倒れるが、まだそれなりの数が残っているため一向に片付かない。


するとそんな時、『シュルシュル』という後ろから何か飛んで来るような音がした。


僕は咄嗟にしゃがむようにして避け、飛んできた方向に顔を向ける。


「嘘ぉ……」


そこには三メートル超えの超巨大蜘蛛がいた。


それだでも十二分に気味悪いが、さらにその蜘蛛の頭部辺りの上には女性のような人型の上半身がくっついているという不気味な姿をしている。


虫あんまり好きじゃあないんだけど……嫌だなぁ……


『マスター!アシストに力を割きすぎて、報告が遅れてしまい申し訳ありません!

敵はおそらく“アラクネ„といわれる怪人と思われます。

“アラクネ„は怪人が発生し始めてから三回ほどしか確認されていない怪人で、蜘蛛本体は糸を吐いて噛みついたり、脚で刺すなど、中々凶悪な上に、足も速く、人型の方は障壁を張り魔法攻撃を防御するなど攻守一体とも言える強力な怪人です。』


僕がアラクネの方を見ると、いきなり僕の方を見て凶悪な笑顔を見せる。

それでも襲ってこないのは強者の余裕なのだろうか。


アインにとりあえず“ロングバレルキャノン„を造ってもらい、完成すると同時に引き金を引く。


一撃必殺!あんなのと接近戦するの嫌だしね!


けれど、アラクネはジャンプして回避すると共に、僕に向かって蜘蛛の足から三本の糸を出す。


見かけに寄らず素早いっ!


糸はそこまで速くなく避けるのは簡単であったが、アラクネは僕に当てるのが目的ではなく、接近するのが目的だったようで、まるで体の中にしまうようにしながら糸を回収すると共に落ちて来る。


「アイン、敵相当早い!これじゃあ当たらない!」


接近してきたアラクネから距離を取りながら、キャノン砲をもう一度撃つがジャンプで避けながらまた糸を吐く。


しかも今回はただ真っ直ぐ飛ばすのではなく、僕が逃げた左側に追尾してきて、ここで運悪くキャノン砲に糸がくっついた。


咄嗟に引きちぎろうとするが、粘着力が凄くあっという間に手から離れて蜘蛛の糸に絡まってしまった。


「アイン!ライフル二丁造って!」


『了解です。ですがマスター、ライフルでは敵の防御を破れません。』


「さっきのキャノン砲じゃあ、当たらないし、さっきみたいに奪われたりするだけだったら、ライフルの方がまだマシだと思う。」


ドンドンと地面を何度も叩くような騒音をたてながら、わざと敵がまだ残っている方向へ背を向けて逃げる僕を追う。


僕とアラクネの速さはほぼ同じで、すぐには追い付かれることはない。


でも、アラクネの方が少しだけ速かった。

その理由は、僕は敵が前にいたら基本避けるのに対してアラクネの方は敵を蹴り飛ばしながら動くからだ。


本来の目的としては、アラクネよりも残存する敵を倒すのに集中している卯月達三人組とメリアさんとお嬢様っぽい人の邪魔をさせる訳にはいかないので、味方が居なくてなおかつ敵がまだ残っているルートを通り、敵を倒してもらいながら距離を離すためにそうした。


今回は運が良かったのか、それとも目の前の敵しか見えてなかったのかは判らないが、僕をちゃんと追ってくまれて、さらに少しだけではあるが他の怪人も倒してくれた。


「さて、ここからが正念場ってやつなのかな?アイン、卯月達増援が来るまで持ちこたえるよ!」


『了解しましたマスター!』








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