秋葉原防衛戦5
その瞬間、銃口からはまたも強い光の塊が飛んで行く。
ゴォァァァァァ!!!!………
今度は目を先ほどよりも開けていられていたので、様子が良く見えていた。
それと同時にこの武器…いや兵器は余りにも強すぎる危険な物だと再認識できた。
だってそうでしょ?ランドグリーズ砲を撃ち終わり土煙りと埃が無くなって、視界がクリアになったら良く解る。
今までいた怪人達が跡形も無く消えていたのだから。
この一撃により、怪人の集団は奇跡的に射線上に居なかった十数体で、しかもほぼほぼが手負いでボロボロになっているような有り様だった。
「…ふ、二人とも!残りの怪人達を掃討するよ!」
「り、了解っ!」
「は、はいっー!」
近藤さんと中村さんは相当動揺しながらも、逃げる敵に対して追撃をかける。
もちろん、卯月も炎の玉を飛ばしながら援護をする。
その様子を僕は地面に座りながら見ていた。
ただ少し逃げて、引き金を引いただけなのにこの疲れ様だ。
自分でも情けないように思えるが緊張と、この武器の威力を知り自然と足の力が抜けてしまったのだ。
なんとも情けないようだが、これくらいは許して欲しいと思う。
「ヴァルハラさん、大丈夫?立てますか?
立つのに時間が掛かるようでしたら、私が守っていますから安心してください。」
少しばかりの援護攻撃をして、残りの掃討を前衛に任せてまで卯月は僕を心配している。
本当だったらすぐにでも立ち上がりたいけれど、この時は好意に甘えさせて、少し休ませてもらった。
その内、近藤さんと中村さんがこっちに来て卯月のように僕のことを見て、心配していた。
「ヴァルちゃん、大丈夫ですか?」
「数分位休んだ方が良いよきっと。」
でも流石にここまで心配させると申し訳ないし、急がないといけないので、なんとか立ち上がる。
「…ありがとうございます。さて、では行きましょう…」
「ヴァルちゃん…」
されど、三人はまだ心配そうな表情を止めない。
「そんな顔しないで。僕はまだ余裕だから。」
僕はそんな三人に微笑みを返して、走り出した。
「ヴァルハラさん待ってください!」
後ろから卯月の声が聞こえるが、僕はある程度手加減しながら走ってるので追いつけるだろう。
「ヴァルハラさん、やっぱり少し休憩した方が…」
一番先に追いついたのは、意外にも卯月だった。
てっきり、中村さんかと思っていたのだが。
「星谷さん、休憩は要りませんよ。」
「ですが、緊張で疲れているはずです!早く止まって休みましょう!」
卯月は僕の肩を掴もうとするが、避けさせてもらった。
「卯月、僕は早く行かないといけないんだ。
この間にも怪人達は出てきているかもしれない。それをわざわざ僕の事情で見逃す訳にはいかないんだ。
それに休むのは“門„を破壊した後でもできるしね。」
「ヴァルハラさん…」
それでもまだ押しが弱いようで、まだ心配するのを止められない。
心配症は卯月の悪い癖だ。
「それに卯月、次の戦闘ではあのランドグリーズ砲は使わないから大丈夫だからね。」
「…わかりました。」
そう言うと、やっと卯月は心配するのを止めてくれた。
「ちょっと、二人とも!」
「なに良い雰囲気を出してるのさぁ!」
やっと説得が終ったら、今度は中村さんと近藤さんが邪推を始めた。
「い、良い雰囲気なんて…」
卯月は反論しようとするが、そうは許してくれなかった。
「だってそうじゃない、私達が頑張っている間にヴァルちゃんを助けて好感度上げてるじゃん。」
「そうそう!」
そんな二人の不満に対して、上手く言えなくなってしまった卯月は、あたふたし始めた。
「え…えっとぉ…」
ここまでくると卯月が少し可哀想になってきたので、手を差しのべてあげることにした。
この件は主に僕に非があるし。
「それでしたら、僕が近藤さんと中村さんを今度から下の名前で呼ぶのはどう?」
「賛成!ヴァルちゃん、それだったら今度から私のこと春香って呼び捨てでお願いね。」
「それじゃあ、ボクも呼び捨てでお願いねヴァルちゃん!」
二人はなぜだか満面の笑顔で大喜んでいる。
確かに新しい友達と仲が深くなるのは嬉しいことだからね。
『マスター、盛り上がっている所ですが、もうそろそろ“門„が近くなっています。
既に“門„の近くでは先ほどのような数の敵はいませんが、それでも三十近くいるので気をつけてください。
また、“門„破壊のために他の魔法少女と思われる反応を二つ確認しました。』
本当はこの下りはすぐに終わらせる予定だったのについつい長くなり、集中力の限界に…




