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始まり2

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光が収まったと思った僕は目を開けた。


別に何も無さそうじゃん。


なんてそう思って、壁に取り付けられていた縦長の鏡の中を覗くと、背の高いスレンダーで胸が大きく、純白のストレートロングヘアーをした、まさに男の子の願望を詰め込んだような美少女が白い長袖ワンピースを着て立っていた。


また、首の近くにあるリボンがチャームポイント?っぽかった


「ふへぇぇ!」


僕は驚きの余り変な声を上げて、自分の姿を鏡で良く見ながら自分の白色に突然なってしまった髪を触った。


本当だったら黒色で男子としては少し長いくらいの髪の長さで卯月のように少し癖っ毛だったはずなのに……

いきなりストレスで白髪になった?


そんな意味の解らない事を考えているとおじいさんが何故だか満足そうに僕を見ていた。


「そいつは儂らが作り出した最高傑作、“ワルキューレ„


ワルキューレには儂らが独自開発したAIが搭載されており、戦闘のアシストに、そこから得た戦闘データの解析から、新たな武器と装備を魔力によって生み出す事のできるいわば魔法少女の進化した姿じゃ。


どんな素人でも歩兵一個中隊を単騎で殲滅できるようなスペックを持った代物。

こいつに勝てるようなのは世界でも数える程もいないじゃろうて。」


そんな事をおじいさんは言っているが、僕には納得できない点が2つあった。


「そんなことよりも!何で髪の色が変わったり体つきがこんなに変わっているんですか?!」


僕が言いたいのはそこだ。

いくら僕の顔が中性的どころか女の人に見えるからと言って、流石にこの姿は酷すぎる。


ここまで変わってしまえば完全完璧に女の人にしか見えなくなっている。

むしろ、この状態で男ですなんて言っても信じる人なんて居ないであろう。


「というか、別に良かろう?それどころか感謝して欲しいレベルじゃと思うが?」


「どこが!」


何故に男の僕がこの姿になって得することになってるの!


「…しつこいの、お主。仕方がない説明してやろう。


魔法少女は変身する時に空気中にある魔力を周りから集めて変身する。

この時に魔法を上手く扱えるようにするため、細胞に魔力が取り込まれる


これにより一時的に細胞が変化することによって、魔法攻撃に対する耐性と、適正がある属性の魔法を扱えるようになるのじゃ。


その時の副産物として、魔法攻撃に対する耐性、体型の変化や身体能力上昇が起きてるのじゃ。


ワルキューレも人工的にその現象を起こしているからお主の体は成長したのじゃ。」


おじいさんの話をとりあえず聞いてみると、なんとなく解ったような解らないような……


要するに、魔法を上手く使ったり、魔法攻撃への耐性が手に入った時の副作用で、身体能力が上がったり、姿が変わってしまうのか。


でも、何で僕の姿が巨胸ロングヘアーの美少女という、元々の僕とは似つか無い姿にはなりたく無かった。


「それで、何度も迷惑を掛けて済まないが儂はある使命があって、人探しをしているのじゃ。

そこで、お主には敵を引き付けておいてもらいたいのだがの。」


「おじいさん……それは流石に無茶ぶり過ぎるよ!」


僕はおじいさんの言っていることが理解できなかった。


だって、怪人は現代兵器がほぼほぼ利かなく、やはり魔法少女の魔法か、魔力を宿した剣や槍でないと効果が全然無い。


しかも、僕は自慢では無いが、運動神経は良くないし、怪人や犯罪者と戦ったことも、喧嘩もぜんぜんした事の無いただの一般人だ。


もしも僕が怪人と戦うことになったら三秒でやられる自信しかない。


「確かに戦えとは言ったが、倒せとは言っていない。

なに、安心せい。さっきも説明した通り、そいつの性能もお主の身体能力も十二分に高くなっている。

それにな、“初期起動開始„」


おじいさんがそう言うと僕の持っている懐中時計が淡く光り、まるで頭の中から無機質な女性の声が聞こえてきた。


『…起動完了。

マスターの生体認証を登録完了。これより、戦闘アシストならびに、戦闘データの収集を開始。』


「ふわっ?!なにこれぇ!」


僕が驚いてワタワタしているとおじいさんが呆れたような声で「落ち着け……」と言った。


「いや…だっていきなり耳元で声が聞こえたら驚くでしょ?」


「その点は謝る。

とりあえず今お前の耳元に聞こえた声は戦闘アシストAI。


そいつはお前の声と脳波等々に反応し、会話に答える時のAIの声はお前の頭の中に響かせている。


ちなみにこいつの声は、変身した時に取り込まれた魔力を、お主の体内にある魔力を伝い届かせている。


また、逆もしかりお主の考えもあちらに伝わるが、あんまり雑念がありすぎるとお主の考えている事とは違う事を始めるかもしれないから、音声の方がまだ正確だからの。そこ辺りは上手く使い分けてくれ。」


おじいさんの話は、なんだか僕の常識外過ぎて余り頭に入ってこない説明だった。


「では、済まないが相手を頼んだ。」


おじいさんは僕の肩に手を置き、それから


「……これだけは言っておく。こいつはお主に託すが、儂を逃がし終わり、戦いたくない、そう思ったら金輪際戦わなくても良い。


なんならそいつは棄てても良い。だが、その時計を他の人間に渡したり、変身出来ることを周囲の人にはするなよ。


それが、お主と周りの人の安全を守るために必要なことだ。


………でも、お主が周りの人や、大切な人を守りたいのなら迷わず戦え、とだけを伝えておく。」


…どうやら僕は、こんな人の良いおじいさんが誰かを囮にして、相当なリスクを背負わなければいけないような事態に巻き込まれてしまったようだ。









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