秋葉原防衛戦3
『お見事ですマスター。』
アインが僕の事をそう誉めるが、当てれたのはアインの力が殆どだ。
「それはアインがいたから当たり前でしょ?
そんな事より、早く“門„を破壊したいから、案内よろしく。」
『了解です。マスター。
それではまず、この道を次の角を左に曲がって、大通りに出てください。
しかし、大通りの方にも沢山の魔法生物が確認でき、魔法少女もいると思われます。
気をつけてください。』
「わかったよアイン。
でも一緒に戦うのは別に良いでしょ?」
僕がそう言うと、アインは少し時間を空けて「問題無いと思われるので、良いでしょう。」と言った。
「さて、行きますか。」
アインが言っていた大通りには5分もかからずにすぐ着いた。
大通りは普段、メイド喫茶や人形、本屋など沢山の店が軒を連ねていて、人通りも相当多いのだが、大通り一帯には怪人の集団しか居ない。
『当てが外れましたね。目標である門に向かうにはこの通りを通らないと行けません。
急いで反対側まで走っても確実に見つかります。かと言って、あの数の敵を仕留めるのは相当時間が掛かりますし、場合によってはやられるかもしれません。』
心配しながら様子を見ていた僕にアインはさらに不安になるような事を言い出した。
「…この姿でも倒されるかもしれないのか……」
『ということでマスター、ここは安全策としてここで待機しましょう。
それに、あと少しでとっておきが完成しますから。』
「…そのとっておきってどんな物なの?」
僕が聞くと、アインは誇らしげな声で話し始めた。
『私が今作ってるのは、ウェア…簡単に言えば新しい服みたいなのですね。それを設計していて、射撃能力向上とダメージ軽減を目的としています。
また、装着時には効率的な戦闘を行うために命中率を上げるためにアシストを強化をします。』
「要するに射撃戦特化になるってこと?」
『はい、ですがその弊害としては接近戦のアシスト比率と射撃戦が変わり、通常時は、五対五なのに対して、八対二にまで減るのでそれに伴い白兵戦に弱くなるのが欠点です。』
どうやら、今作ってるウェアと呼ばれる服見たいな物を着ると、ほぼ自動的に射撃戦に強くなる代わりに、接近戦に弱くなるらしい。
「それでどれくらいで完成しそう?」
『専用の武器は完全に設計は終わっており、装備の設計の方は九割完成しており、最後の大詰めが終わるのにあと十数分かかる予定です。』
「それじゃあ、あと最低でも十数分待機して、その後に動く感じ?」
『そうで……マスター!こちらに高速で接近してくる魔法生物を確認しました。
怪人である可能性が十分にあるので注意を!』
僕はすぐに近くにある段ボールの影に隠れ、ライフルを握りしめる。
少し隠れていると、三人位の話し声が聞こえてきた。
「二人とも!先急ぎ過ぎ!」
「でも、急がないと不味いだろう!」
「まだビルの中とかにいる人放っておけないよ!」