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共同戦線2

『マスター!また敵の増援です。数はおそらく十体で、数分後には接触します。』


「また増援来るの…」


「ヴァルちゃんどうしたんですか?」


近藤さんは僕が何をしゃべったのか聞いてきた。


「三人とも、敵の増援が数分後に来る。」


「うへぇまだ来るの?というかヴァルちゃんは何で解るの?」


しまった、そこまで考えないで言ってしまった。


「あ、あっと…僕には外部の協力者がいるんだよ。」


とりあえずそれっぽい感じで理由を言ってみる。


「ふうん…」


でも三人はあんまり納得してなさそうだ。


「…まぁこの話は置いておきましょう。それでヴァルハラさん、敵はどこにいるか解りますか?」


卯月からのジト目をうけながらも、僕はアインからの回答を待つ。


『敵はここの十字路の左側から来ています。

そしてマスター新装備“対魔法生物用ショートソード、ロングソード„の設計が終わりました。


説明すると、ショートソードは取り回しが良く扱い安い片手剣で、ロングソードの方は刃渡りと重量が上がり、扱い難くなっていますが威力は大きく上がっています。』


「アインありがとね!じゃなくて…敵はここの十字路の左側から来るらしいから。」


いきなり驚いたような声を上げた僕を不信がる。


「ヴァルちゃんさっきから何かおかしいですけど、大丈夫ですか?」


近藤さんからは心配されてしまい、苦笑いしかできなかった。


「ヴァルハラさん、深雪、春香、敵が見えました。」


「星谷さん、無理言ってごめんね。」


僕がそう言うと、卯月は横に首を振った。


「大丈夫ですよヴァルハラさん。それよりも怪我をしないようにしてくださいね。」


こんな状況でも卯月は優しいな…


さて、卯月のためにも頑張るか。


「『召喚ショートソード』」


すると、僕の手には刃渡り一メートル程の装飾がほぼ無い、西洋の騎士が使ってそうなのが握られていた。


「ヴァルちゃんの魔法は三種も武器召喚できるのかぁ……」


中村さんはそう言うが、それに対して近藤さんがキレのある突っ込みを入れる。


「いや普通に聞いたこと無いんだけど!」


「二人とも集中!」


それを止めようと、卯月は一喝するが、収まらない。


にぎやかな人達だなぁ(棒読み)


『マスター、迎え撃ちましょう。』


僕は三人が言いあっている間に敵を迎え撃つために走る。


剣を持っているから速度は少し落ちるが、特に問題は無い。


僕はまず敵の持つ槍を斬り、武器を破壊した後に首を斬る。


でもこいつらの面倒な所は恐怖を知らない所で、仲間がどれだけやられようとも、敵を倒そうとする所だ。


僕は体を少し動かして一撃を避けると、その隙に胸に刺して引き抜く。


三体目を倒そうとした時炎の玉が飛んで来て、一体のバーバリアンを火だるまにする。


「ヴァルちゃん先に急ぎすぎだよ!」


「少しは頼ってよね!」


右側には、青を基調とした装飾を施した槍を持った中村さんが敵を串刺しにしていて、その左側には美しい風をモチーフにしたと思う片手剣を振り上げ、バーバリアンを一刀両断にする近藤さんがいた。


「近藤さんに中村さん、星谷さんもありがとう!」


「元々戦闘が仕事だから大丈夫!」


近藤さんが中々頼もしいことを言ってくれた。


僕も頑張ってこいつらを倒さないと。


そう気合いを入れ直した僕は続け様に三体のバーバリアンの腹部を切って、刺した。


それで気づくと敵はすべて斬られているか、刺されているか、炭になるかのどれかになっていた。


「ヴァルちゃんすごいですね。敵の半数近くを一人で倒すなんて。」


近藤さんは尊敬するような目をしているが、凄いのは懐中時計と、アインだ。


僕は大して凄くは無い。


「でもそのお陰でスコアが上がらなかったー!これじゃあ支部のベストテン入りできないよぉ!」


しかし、中村さんは不満そうな声を上げる。


「春香、そんな不満言わない。ヴァルハラさんも頑張ってくれたんだから。」


卯月は中村さんを諌めようとするが、膨れっ面で僕を睨んで来る。


「ぶぅぅ。フォールにまた絡まれる……」


どうやらフォールという人に負けたくないから頑張ってるらしい。


「そうだ!じゃあ“エニシ„交換しよう。」


エニシとは言わば簡易メール交換アプリで、登録した人だったらどこでもメールを交換できる便利なアプリだ。


「それくらいだったら良いよ。」


「それだったら私も!」


それを聞いた近藤さんも交換したくなったらしい。


「あの…ヴァルハラさん」


「その先は言わなくてもいいよ。解ってるから。」


そう言って僕達はエニシのIDをを交換した。


「あ!そういえば何でここに来たかって聞こうと思ったけど、これだけ戦えるんだから、ヴァルちゃんも魔法少女なんだね。

じゃあ、もしかすると支部で会えるし、なんならボク達のチームに「言い忘れたけど、ボク野良の魔法少女だから」えっ!」


その言葉に中村さんのみならず、近藤さんも卯月も驚いていた。

でも何よりダメージを受けたのは中村さんのようで、フリーズしている。


「………ヴァルハラさんにもきっと事情があるんでしょう。それに春香、予定が合ったりすればまた一緒に戦ってもらえば良いでしょ?」


卯月は中村さんをそう説得すると、なんとか復活して動けるようになった。


「ヴァルハラさん、今日はありがとうございました。また機会があれば一緒に遊んだりしましょう。」


「うん!あと、もう帰らないといけないからじゃあね!」


僕はそう言ってこの場を去った。




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