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女子会?

「どうしたんですか?私のこと私見て目を丸くして。」


「え、ああ、僕の知り合いにあなたと似た人がいて。

本当に瓜生二つなんですよ!」


僕は突然のことで、テンパり自分で何言ってるか解らなくなってきた。


「は、はぁ。そうですか。」


とりあえず卯月は納得してくれた。


「ねぇお姉さん、これからどこか行くの?」


僕がほっとしていると、ショートカットの女の子が僕に向かってそう言った。


「ええっと……」


『マスター、ここは早く立ち去った方が……』


「これから私達、マスタードーナツに行くんだけど一緒にいきませんか?」


今度は甘栗色の子が、僕をじっと見つめながらそう言った。


こ、断りずらい。


「もう、深雪も春香もそんなこと言って困らせちゃいけないよ。」


卯月はそう言うが、断りずらい状況は変わらない。


「いえ、特に大切な用事は無いので大丈夫です。」


もともと押しに弱い僕は結果マスタードーナツに行くことにした。












『マスター、なぜ断らなかったのですか?』


僕達はマスタードーナツ_略してマスド_について、適当に注文した後、トイレに入った。


ちなみに、ここのトイレは男女兼用だから、罪悪感は特に無い。


「いや…だってあんな表情されたら断れないし、助けてもらったし、卯月の友達も気になったし……」


僕のどんどんと声の小さくなり、最後には小声にまでなってしまった。


『まぁ良いでしょう。最悪明日もできますし。』


でも、なんとか許してもらった。


『ですが、ここで問題になるのが、マスターだと知られないようにしなければいけません。

姿や声から解る可能性は限りなく低いですが、ふとした事から疑問を持たれ、そこからボロが出て知られてしまう可能性が十二分にありますので気をつけてください。』


確かに、可能性はそんなに高く無いとはいえ、そこから疑問を持たれたりするかもしれない。


「そこまで頭が回らなかった……」


僕は頭を抱えた。


もしも、今の姿が僕だと解ったら卯月や彼女達はどう思うだろうか?


普通は、気持ち悪がられるのが関の山、最悪犯罪者だ。


「とりあえず努力はしてみるか。」


僕はトイレから出て、窓側のテーブル席に向かった。


卯月や彼女達はもう仲良く談笑していた。


「あ、お帰りなさいお姉さん。」


ショートカットの女の子がニコニコしながらそう言った。


「う、うん。」


僕はうなずいて座った。


『硬いですよマスター。』


アインからのアドバイスが来た。


「あ、まだ自己紹介してませんでしたね。

私は星谷ほしたに卯月うづきです。十四歳で今年中学三年生になります。」


卯月は僕に向けてペコリと頭を下げた


「硬いよ卯月!

わたしは近藤こんどう深雪みゆき卯月と同じく十四歳。今年中三になるの。よろしくね。」


近藤さんは甘栗色の髪を少し整えてからそう言った。


「最後はボクだね。名前は中村なかむら春香はるかボクも今年中三になるよ。」


中村さんは元気一杯に自己紹介した。


一通り、僕意外の自己紹介が終わった所で、三人の視線は僕に集まった。


「えっと……」


しかし、ここで考え忘れてたのが名前だ。


「お姉さんどうしたの?」


ここで黙りこんでいたら、話が進まないどころではなく、怪しまれる。


「ヴァルハラ・ワルキューレ。それが僕の名前。よろしく。


一応言っとくけど、生まれも育ちも日本で外国語はそんなに喋れないから気をつけてね。」


一応名前の由来としては、おじいさんから渡された時計は“ワルキューレ„と言われていたのと、ヴァルハラはネットからの知識で、確か戦いで死んだ人が行く場所らしい。


「ヴァルハラさん……変わった名前ですね。」


卯月は何か考えるような素振りをしながらそう言った。


「はい。結構そう言われます。」


僕は微笑みながらそう言うと、中村さんは僕をじっと見つめる。


「何かありましたか?中村さん。」


「いや、変わった名前だなと思って。」


「あはは……」


即興で作った名前だからまぁそう言われても仕方ない。


「じゃあヴァルハラ・ワルキューレって名前も名字も長いから、ヴァルちゃんて呼んで良い?」


凄いなJK。この短時間でいきなりあだ名で呼ぼうとするなんて。


僕にはそんな高等過ぎる技術は、持って無い。


「そのあだ名で呼んでも良いですよ。」


「それじゃあ、ヴァルちゃん。改めてよろしくね!」


横から中村さんが握手を求める。


僕は中村さんの手を握って


「これからよろしくね、中村さん。」


「あ、わたしもやる!」


僕と中村さんのやり取りを見て、近藤さんも握手を求める。


「それでは、よろしくね近藤さん。」


そう言って握手をした。


「星谷さんはしますか?」


ここで卯月を仲間外れにするのも可哀想だから、今度は僕から握手を求めた。


「これからも末長くよろしくお願いします、ヴァルハラさん。」


卯月は硬い言い方をしながらも、手を差し出した。


こういう時はもうちょっとフレンドリーにしないとね。


妹とこんな風に握手なんてしたこと無いから、とっても斬新だ。


「よろしくね、星谷さん。」


僕はそう言って握手をしようとした時、サイレンの音が鳴り始めた。


「怪人の襲撃!昨日もあったのに!」


近藤さんは鬱陶しそうに言った。


「全く!せっかく楽しい時間を過ごそうとしたのに!」


中村さんも目が険しくなり、憎々しそうに言った。


「二人とも、そんなこと言ってないで、早く変身するよ。


ヴァルハラさん、知ってるかもしれませんが、私達は政府所属の魔法少女なのでサイレンの鳴っている地域にいる場合は、戦闘に参加しなければいけないので行かなくてはいけません。


勝手に誘っておきながら申し訳ありません……」


卯月は申し訳なさそうにそう言う。


でもこういうのは慣れっこだ。


「そんな顔しないでください。こういうのは慣れてますから。」


そう言うと、卯月の申し訳なさそうな顔は、幾分か元に戻った。


「それじゃヴァルちゃん、わたし達がすぐに片付けるから安心してね!」


「どうせ大したこと無いと思うから、すぐに終わらせるから!安心して!」


二人はそう言うと外に駆け出した。


「ヴァルハラさん、すぐに避難してください。ここも戦いに巻き込まれるかもしれないので。」


卯月はそう伝えると、店から飛び出した。


『マスター、私達も行きますよ。』


「解った。」


僕は席を立ち上がり、三人が向かった方向に追うように走り出した。








とりあえず区別の仕方は


卯月(星谷) 丁寧な言葉使いで、一人称が『私』。


深雪(近藤) 砕けたような話し方で一人称が『わたし』


春香(中村) 砕けたような話し方で一人称が『ボク』


こんな感じです。解りにくい所は言えば直します。

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