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4:体験そのものをそれ自体として『私小説』にしてはいないで、繰り返し『体験の経験化』を表記的に苦労して試みながら、可能な限り『私』を離れるだけ離れ得る限界点の視点から、あれこれ考えながら書こうと努力した作品である。
まさに『腐敗』してゆく『私』からの逃避ではなく『蘇生回復』を目指したい自分との闘いでもある。
作者は、回顧するほどに心痛め悩みつつ、小説として読者にどう伝えようかと頭を掻き毟って書き継いだ。
小説がリアリズムに徹するのであればあるほど、お腹が痛くなり、頭痛に苛まれる執筆の日々であっただろう。
小説は、何かを書かなければならないのか、を作者が書く中で気付いたからである。
余計に書いてはいけないものかも知れないが、迂闊に捨て去ることへの躊躇も作者に見受けられる。
作者にとって、『語り得ること』は無尽蔵にあるのだが、同時に『語り得ぬこと』もまた無限にあることを自覚しなければならないだろう。
また作者にとって、その知識や見識においての『書けぬこと』は、ひたすら知識の取集や正義の見識を取得する研鑽を怠らないことで克服し、限りなく『主観的体験の客観的経験化』に近付く創作態度を貫くことであろう。




