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第三に、被害体験を無意味な個人的復讐行為に走らずに、人間性回復としての正義感からの社会的告発によって、正々堂々と世に問う『民事本人簡易裁判少額訴訟』を通じての闘いが、最後の素材となっている。
現実素材の三要素が、小説展開順に大筋で組み込まれて構成されていると言えるだろう。
2:小説は、回想時のエピソード・シーンや登場人物のプロフィールなどの『有機的』実存の姿を紹介しながら、現代の格差社会を垣間見せる各人間生活のショート・ストーリーを随所に散りばめながら、エピソードの挿話を畳み込むような手法で成り立たせている。
しかし、主要テーマの最終的な追及は、単独個人での『本人訴訟』での闘いの過程で、究極的に明らかにされる。
日本の大資本企業共同体と国家司法権力の、二つの巨大な『腐敗した無機質』との、その理不尽・不条理な悪行との格闘を通して、日本社会の歪んだ実情を主人公と作者と読者とが、共同的に認知することにあるだろう。
タイトルの『無機質な腐敗』とは、自動車生産工場ラインの歯車の一つに過ぎないかのように労働する現場を指して『無機質』(=非人間性)と言い、労働者という人間だけが、有機体ゆえに『腐敗』(=人間性喪失)してゆく様を表現した、ストレートに現象を言い当てる哲学的でオリジナルな語感の深い言葉となっているだろう。




