表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新たな人生歩みます!  作者: りす
2/6

これからが始まりだ!

「おぎゃあ、おぎゃあ」

(ここが転生先?)

「奥様、旦那様、元気な女の子が生まれました!!」

 メイドらしき人が言う。

(え、メイド?)

「そうか、女の子か!!リーナ、女の子だ!」

こちらは父だろうか。ものすごく喜んでいる。金色の髪に緑の目をしている。あと、リーナというのはおそらく母のことだろう。

「あら、目の色はディルで、髪の色は私ね。」

綺麗きれい...。この人たちが父と母なら、私の目は緑色で髪は銀色だね。)

 私が男装に憧れたのはアニメでかっこいい男性キャラを見てからだ。だからこの配色いろは嬉しい。

 母だろうこの人は、すごく美しい。銀色の髪に青い目だ。ディルとは、父のことだろう。

 その時バタンという音とともに一人の女の子と一人の男の子が部屋に入って来た。

「「か...可愛い!!」」

「あらあら、二人ともまだ寝てなかったの?」

「だって母様、寝れなかったんだもん。」

「ねえ母様、それより名前は?」

「もう、あなたたちは...。名前はね、フィナ。フィナリアよ。」

(へー。私の名前、フィナリアか...)

「フィナ、私は姉様だよ!」

「フィナ、僕は兄様だよ!」

 二人は嬉しそうに言う。すると母様が、

「ほら二人とも、もう寝なさい。明日起きられないわよ。」

「「はーい。お休みなさい母様、父様。」」

「お休みなさい。」

「お休み。」

 周りのメイドはそのやりとりを微笑ほほえましそうに見ていた。

「みんな、下がっていいわよ。」

 と、母様が言うとメイド達が一斉に礼をし、

「失礼しました。」

 と言って扉から出ていった。

「この子は...凄く魔力が高いみたいだな。」

(本当!?やった!!)

「大丈夫かしら?」

(何が...?)

「分からないが、なるべく早くから魔法を教えよう。」

「ええ、そうね。」

「リーナも疲れているだろう?ゆっくり休むと良い」

「ありがとう。お休みなさい。」

「ああ、お休み。」



 2年半が経ち、私ことフィナリアは、ゆっくりなら歩けるようになったし、まだ舌足らずだが言葉も話せるようになった。

 そして、この2年半の間に分かったことをまとめてみた。


 ・この世界には日本にあった物もあれば無かった物もあるということ。

 ・家族は私を含め5人ということ。

 ・この家は公爵家ということ。

 ・言葉が分かるようにしてということ願ったが動物の言葉など全ての言葉が分かるようになっているということ。植物は集中すれば聞こえる。

 ・この世界には魔法を使うための言葉がある。なのに私は無詠唱むえいしょうで、できるということ



 これくらいだろうか。上の2つはいいまあ、普通だ。だが、問題は下3つだ。おかしい。絶対におかしい。だって公爵家って。しかも動植物の言葉まで分かって、無詠唱だよ!?

 大事なことだからもう一回言わせてもらう。おかしい!!

 なぜ無詠唱で使えると分かったかというと、水の魔法とか使ってみたいなぁ。と思ったら目の前にビー玉位の大きさの水の玉が出てきたからだ。急いで消えろと念じると消えたが。あれは驚いた。

 まあそんなこと言ったって何かが変わるわけでもないが。

 そういえば、兄様の名前はユイリスで姉様の名前はレフェルだ。

 そんなことを考えていると、兄様と姉様が嬉しそうな顔をして来た。

「フィナ、ただいま。今日はね?いっぱいいたのよ。」

「そうそう。でも弱かったから簡単に倒せて楽しかったよ。」

 兄様と姉様が言っているのは魔物のことだ。

 私の家族は、魔物が多く出たときに手伝いに行くそうだ。

「わたしも、にいさまとねえさまみたいに、まほうがつかえるようになるー!!」

(そして、男装してもおかしくないように剣も使えるようになる!!)

 すると姉様が、

「フィナ、ありがとう!!」

 といってムギュッと抱きついてきた。

(ね、姉様、苦しい苦しい!!)

「フェル、フィナが苦しがってるよ。」

「あら?ごめんねフィナ。」

「う、うん...大丈夫だよ...」

 フィナの日常はいつもこんな感じなのだ。



 フィナが5才になったその日は、家でお兄様とお姉様の学園の友達を招いての小規模な誕生パーティーだった。

 あれから結構経って兄様が少し変わった。僕じゃなくて、私と言うようになったのだ。

 私は今姉様に連れられて姉様の友達のところで一緒に話をしている。

「か、かわいい!」

「いつもフェル様が自慢していたからずっと見てみたかったのです!!実際に見ると想像していたよりも可愛くて驚きました!!」

「そうでしょう!!」

(姉様......一体学園ではどんな話をしてるの?)

 フィナはそんなことを思いながら、視線で兄様に助けを求める。

 すると、兄様が助けに来てくれた。

「フェル。フィナを連れて行くよ。」

「分かったわ、兄様。」

 そして姉様から少し離れると

「もう捕まらないようにね。」

 というと兄様はさっきいた所に戻った。

 フィナは会場を抜け出して庭に出た。

 なぜか庭にはゴブリンが1体いた。

「うそ...どうしよう......」

 フィナがオロオロしていると

「そこを退け!」

 と言われた。言われた通りにそこを退くと、

 そこには兄様と同じ位の年の金髪の少年がいた。

 その少年は炎の魔法を使ってゴブリンを倒すと怒った顔をしてこちらに歩いてきた。

「なぜ逃げなかった?危ないだろう!」

「ご、ごめんなさい.........」

 金髪の少年ははぁ、とため息をついた。

「あの、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」

「俺を知らないのか?」

 知らないし。と、内心で呟きながら

「はい。」

 と言った。

「そうか。俺の名前はリアティウス・ミーフェ・リグレストだ。」

 リグレストというのはこの国の名前だ。ということは...フィナはサァっと青ざめた。

「で、殿下でいらっしゃいましたか...?か、数々のご無礼申し訳ございませんでした。」

 そ言うと、

「堅苦しいのは嫌いなんだ。敬語もやめろ。あと俺の名前はアティだ。」

 こう返された。

「わ、分かったよ。アティ様。」

「様もいらない。」

 注文多すぎない?!と思いつつも従う。

「アティ。」

 と言うと満足そうな顔をする。

「それでいい。親しい人しかいない時はそうしろ。」

「は、うん。」

「お前は?」

「え?」

「名前。」

 名前を聞いていたらしい。

「フィナ。フィナリア。」

「フィナか。分かった」

 どうやらアティは帰るらしい。

「じゃあな。」

「じゃあね。」

 と言って別れる。

 そしてアティが見えなくなると、フィナはペタンとその場に崩れ落ちた。

 ドキドキする胸を押さえて私、まだ怖いのかなぁなんて考えていたのだった。

 会場に戻り、私はパーティーが終わるまでの間ずっと考えていた。もちろんさっきのことである。

 どういうことを考えていたかというと、例えば今日のことを理由にして剣と魔法の教師をつけてもらうとか。

 はっきり言うと、魔法の教師はともかく、剣の教師をつけてもらう理由に悩んでいた。

 だから丁度良かったのだ。

 そんなことを考えている間、周りからの心配そうな視線があったが本人は全く気付いていなかった。

 それどころか、

(よしっ。パーティーが終わったら、父様に言ってみよう。)

 なんてことを考えていたのだった。


「ということなの。ねえ父様、良いでしょ?」

 パーティーが終わり、父様に直行したフィナは父様に事の次第を言い早速聞いていた。

「だが......まあいいだろう。.........自分を守るすべは多ければ多いほど良いか...?」

 最後の方に何かボソッと聞こえたが今はそれどころでは無かった。

「やったー!父様ありがとう大好き!!」

「そ...そうか.........」

 父様が、にやけそうになるのを必死にこらえていたことにフィナは気がつかなかった。

 その時はフィナに剣の才能があるなんて全く考えていなかったのだ。

 あんなことを言い出すと分かっていれば父様とて絶対に許可しなかっただろう。



 それはフィナが15才になったころ。

「父様。私騎士団に入りたい。」

 勿論理由はある。騎士団の制服があのキャラの着ている服に似ているからだ。けしてアティの為ではない。

 5才の時から剣と魔法の腕を磨いてきた。そして乗馬などもだ。

 だから今のフィナは強い。本人はよく分かってないが。というのも基準が分からないのだ。魔物はあれからそこまでの大量発生はしてないようで戦う機会も無かった。

 父様は魔法はともかく剣の教師からの報告でフィナリア様は剣の才能がありますね。などと言われても女にしてはだろう。と思っているのだろう。

「だめだ。」

「なぜです?」

「まず女騎士なんていない。」

 父様が言っている通りだが、ならば作れば良いだけだ。

「それは貴族の女性で強い人がいないからでしょう。」

 そう、騎士とは家督を継げない貴族の次男などがなるものなのだ。

「じゃあ、フィナは強いのか?」

 強さの基準が分からないがまあそこそこだろうと思う。

「強さの基準が分からないので分かりませんがそこそこではあると思います。」

「ならば、強さを示せ。示す方法はこちらが決める。いいな?」

「はい。お願いします。」


 はっきり言うと私は絶対に無理だと思っていた。

 王と相談して決めた内容は団長を抜いた近衛騎士の上から強い順に100人を選び、剣だけでその全員を倒したら騎士団に入ることを認めるということだ。普通の人なら絶対に無理な内容だ。

 まず、それ程強くなければわざわざ女など入れる必要が無いのだ。


 強さを示す方法を提示されてから、5日が経った。

 本当にやるのか?と言われた時のフィナの返事は勿論「はい。」だ。

 その内容は、団長を抜いた近衛騎士の上から強い順に100人が選ばれ、剣だけでその全員を倒すという事だった。致命傷を与えては駄目だ。

 今までは母様や兄様姉様に猛反対を受けていたが、私が聞かないから諦めたのだろう。

 そして今日がその当日。

 試合会場にはなぜか国王と王妃と王太子......アティがいた。

 しかもアティにいたってはこちらを睨んでくる。

 ああ、分かる。何でお前こんな事やってんだって事ですね。

 そんなこと置いといて。そんなことじゃないけど。まあとりあえず今までの努力を見てもらいましょうか!!

遅くなってしまい申し訳ありませんでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ