天使様、降臨!?
私は秋宮雪。平凡で、どこにでもいるような高3の18歳だ。
平凡じゃないとしたらそれは、両親がいないことだろう。両親は、私が小学生の頃事故で亡くなった。だが、私はもう気にしていない。
今はもう彼氏もできて日々充実している。今日はメールで呼び出されたので、彼の家に向かっている最中だ。
家につき、チャイムのボタンを押すが、鳴らない。ならいいかと玄関のドアを開ける。
「お邪魔しまーす。祐司いる?.....え?」
そう言ってリビングらしき部屋のドアを開けるとそこでは祐司と知らない女性が抱き合っていた。
祐司は雪に気がつくと、パッと体を離し驚いた顔をして、
「ゆ、雪...?おまっ、どうして...」
「あらぁ随分と遅かったわねぇ。あのメール、読んだ?私が書いたのよ~。」
女性は間延びした声で言う。
「んなっおまえまさかっ」
「そうよ~。祐司がいつも言っていたうざい女に会ってみたくて~。」
「っ、ち、違うんだ雪!」
きっと私は今、すごい顔をしているのだろう。祐司の顔も引きつっている。
「あっそう。」
そう言いながら祐司に近ずいて行き、パンッと頬を叩きバタンと玄関のドアを閉じた。
何も考えずに歩いてきたのは通学路にある公園だった。いくら通学路にあると言ってもこんな真冬の夕方だ。誰もいるはずがない。
「はあ....」
思わず出たため息と共に白い息がでた。
彼氏にはもう振られたようなものだし、これからどうしようなどと考えていた、その時。前方からタッタッタ、という足音が聞こえた。私はうつむいていた顔を上げ、前を見ると男がこちらに走ってきているのが見えた。そしてその手に街灯の光に反射してキラリと輝く物が握られていることに。
「うそでしょ...。」
逃げなきゃと思ったときには遅かった。もう男が目の前まで迫っていたのだ。男は握っていた物を私の腹部に刺すとそれを離し、その場を去った。私は立つ力がなくなり地面に崩れ落ちる。
「うう....」
腹部は痛くそして熱かった。
私、死ぬのかなぁと考えると、私悪い事なんてしてないのにどうしてだろうと疑問に思う。
そして、ゆっくりと意識を手放していくのだった。
「うーん...ここどこ?」
見渡す限り白い世界。上下左右どこまであるのかわからない。
そういえば....と、ここに来る前のあの記憶を思い出した。
「そっか。私、死んだのかぁ。」
「はい。死んでしまいました。」
声のした方には、綺麗な羽が生えた天使がいた。
「うわっ天使...?てゆうかいつからそこにいたの?」
「えっと、ついさっきです。あ、すみません、神様から伝言を預かっているので、聞いて下さい。......」
つまり神様の話しをまとめると、戦争ばっかりしている世界があって、その世界をちょっとこらしめてやろうとしているときに間違えてそこの人間を日本にとばしてしまい私が殺された、ということだ。
「まだ続きがあります。本当は1年間天使をしないといけないんですが、そのお詫びとしてすぐに転生できるそうです。他にもありますが、まあとりあえず質問に答えて下さい。まず、どんな世界に転生したいですか?」
「うーんとどんなのがある?」
「うーん、そうですね...魔王が支配する世界や剣と魔法の世界など.......」
「え、剣と魔法の世界!?そこがいい!!」
私はそんな世界があると知り嬉しくて天使の話をさえぎってしまった。
「あ、ごめんなさい。」
「だ、大丈夫です。次は容姿についてですが。」
「今よりも下じゃなければいいです。あと魔法系全般と字の読み書きをできて、言葉も分かるようにしてもらえませんか?」
「そうですか、わかりました。えっと魔法系全般と字の読み書きをできて、言葉も分かるようにしてっと。ほかに何か要望はありませんか?」
「じゃあ、身体能力を高くしてほしいです。それと仲の良い家族も。」
「わかりました。それだけで良いんですね?」
「うん。」
「では、目を閉じて下さい。」
私はそれにおとなしく従う。
「良い人生を!」
天使がそう言うと私の周りが温かい何かで包まれ私は急激な眠気に身を任せたのだった。
初めて書く作品なので投稿するのが遅くなるかもしれません。
温かく見守っていただければ幸いです。




