第六章 日本へ里帰り 7話
体調不良で更新できず、申し訳ないです。
活動報告に詳細載せてますので、良かったらのぞいてください。
少しずつですが、体調が戻りましたので、再開します。
次の日、同じ町内にいる兄夫婦達も一緒に、神代町の隣町にある遊園地に出掛ける話になった。
ザイアスだけはまだ仕事が残っているらしく、別行動になったのだが、
「また夕飯の辺りでお邪魔します。」
今朝もたらふく炊き込みご飯を食べたにも関わらず、夕飯が馬牛のすき焼きと聞いた瞬間のてのひら返しは、最早一芸の域だった。
「ザイアスがあれだけ食にこだわるとは知らなかった。」
「長生きすると、楽しみが食べ物位しかないとか?」
見送りをしに来た私達の会話に咳払いをしつつ、ザイアスは私達の顔を見る。
「ゆっくり満喫してきてください。」
ひどく優しい声音で話した後、ザイアスは転移魔法で去っていった。
同時に家のドアが開き、ミズハを肩車した父さんが楽しげに出てきた。準備万端だったようだ。
「ほら、アカネ達も支度しなさい。」
母さんに呼ばれ、私達は慌てて支度を始め出す。
普通に出かける、だけじゃない私達は自身の杖やバッグの中身を確認する。そして、さらに技巧魔法や精霊魔法で偽装する。
「今の日本でここまで用心しなくてもいい気がするけどね。」
「用心に越したことはない。」
私の呟きにカズトがほら、と私を差し出す。その手に捕まって立ち上がる。
「ほら、ミズハ、待ってるぞ。」
「オフェリアもね。」
外ではしゃぐ二人の声が聞こえて、私は久々の遊園地を満喫しようと気持ちを切り替えた。
最後に行ったのは、結婚する前だったかな。神代町民のデートスポットであるので、平日でも人の出入りはあり、賑やかだ。
「アカネー!」
入り口に見覚えのある人がいて、私は大きく手を振って近づいた。
「兄さん、義姉さん!」
「アカネ、おかえり、久しぶり。」
私の3つ上の兄ダイキと、その奥さんのアズサだ。半年前のパーティー以降は手紙でのやり取りはしていた。
「義姉さん、体調は大丈夫でしたか?」
アズサはつい3ヶ月前に病気を患ったと聞いていたので、心配したのだが、顔色がよさそうで笑顔を見せている。
「大丈夫。今日は快気祝いでもあるから。」
詳しい病状は聞いてないが、深刻な病気ではないようで安心した。私はオフェリアを呼ぶと、紹介をした。
「手紙に書いた私の親友、オフェリアだよ。」
そう紹介すると、オフェリアは嬉しそうに兄さんたちと握手した。手紙には一応、貴族の女の子と紹介している。
「本当に、イギリス系の外国人に見えるね。」
アズサがオフェリアを見て、私に話しかけた。以前、語学留学をしていたと聞いていたので、現地の人と比べたのだろう。
「そうか、違和感なく過ごせるのはありがたいな。」
オフェリアがアズサにそう言うと、あまりの流暢な日本語に、ギャップを感じたのだろうか、きょとんとした後に苦笑していた。
「よし、じゃあ中に入ろうか。」
父さんの合図で、私達も1日パスを買いに受付に並ぶ。今日は列も少なく、スムーズに入った。入った瞬間のオフェリアとミズハが目をキラキラさせて、キョロキョロし始めた。
「好きなものからどうぞ。」
私がそう言うとミズハはオフェリアの手を取って、どこ行くの?と声をかけている。オフェリアはよーし、あれからだ!と楽しげにアトラクションに並びだした。
「本当に異世界人には見えないな。」
兄さんはアズサの隣につきながら、ぽつりと呟いた。私は頬をかきつつ、その言葉に同意する。
「日本にいると余計にそう思うよ。」
「アカネはちょっと変わったかもな。」
唐突に私のことをいわれたので、ビックリして兄さんを見る。
「前よりもイキイキしてるよ。」
「そりゃ、借金背負ってた時に比べたら、ねぇ。」
あの頃の地獄を思い出して、背筋に悪寒が走り、思わず首を振る。その行動に心配した兄さんがわりぃ、と頭を撫でてきた。
「大丈夫、もう過去のことだ。」
兄さんが撫で続けるので、そろそろ手をつかんで止めさせた。
「わかってるよ。いつまでも子供じゃないから。」
「いつまでも俺の可愛い妹だぞ?」
子供扱いが抜けない兄の態度は嫌いじゃないが、時々ムッとしてしまう。わざとぷくっと頬を膨らませて不満を見せる。
「次の土産はなしにしますー。」
「う、悪かった。次も頼むよー。」
ニヤニヤと笑い合う兄妹のやりとりを微笑ましく見ているアズサ。
「ママー!オヘリア、これ、乗りたいって!」
ミズハが大声で私を呼ぶ。私ははいはーいと返事して駆けつける。
兄なりに心配してくれたことに、私は何か幸せを感じて笑った。




