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「以上が報告です。」

アッシュはギルド長を前に、報告を終えた。

「そうか、ありがとう。しかし、よく無事だったな。」

ギルド長はアッシュを労うと、視線を下に向ける。

「腹にぶちこまれたんだろ?」

上級冒険者でもあるアッシュが、魔物化したとはいえ、中級クラスのフォレストウルフに一撃で内臓を破壊されると思わなかったのだろう。

ギルド長の言葉に、アッシュはいやぁと頭をかく。

「偶然、師匠のところにいた異世界人の魔導師がいなかったら、死んでましたよ。」

「ああ、聖光魔法やら技巧魔法やら唱えたんだったな。」

精霊魔法も完璧でしたよ、とアッシュは付け足す。

ギルド長は腕を組み、アッシュの顔を見る。

「その異世界人が、"何か"をしたから、魔物化したフォレストウルフを倒せたという訳か。」

「すみません、戦闘中で何をしていたか、まったく見えなくて。」

アッシュは守人さんの影に隠れたから余計に、と 再び頭をかく。

「いや、かまわんさ。報告ありがとう。審査の結果、報酬を用意するから、後日ギルドにきてくれ。」

立ち上がりながら、ギルド長はそう語ると、

「ぜひ、拝みたいから異世界人も連れてこい。」

ニヤァと笑って見せた。

アッシュはハイハイ、と流して部屋から出ていった。

残ったギルド長がしばらく背後の窓をみていると、見知った顔がギルドに入るのをみた。

「おお、魔導師協会のザイアスじゃねぇか。ははぁん、異世界人のことか。」




ザイアスはギルド長を前に、和やかに会話を始めた。昔からの知り合いでもある為、終始穏やかな近況報告が続く。

「で、用件は異世界人のことか?」

ギルド長は夕飯がわりのサンドイッチを口にしながらザイアスに問いかける。

「はい、こちらにアッシュという冒険者が報告に来てるようで。」

「ああ、さっき聞いたぞ。命の恩人だって誉めちぎってたぞ。」

ザイアスは紅茶を一口飲むと、カップを置きながらため息をつく。

「他には?」

「いやぁ?大狼と戦ってる隙に"何か"をして、大狼が弱まったから倒せた、位か。」

「その"何か"は、聞いてますか?」

ギルド長は首を横に振る。

「見えなかったんだと。」

「そうですか。やはり、あれは。」

「おい、聞かせろよ。お前は異世界人本人から聞いてんだろ?」

ザイアスの反応が気になるのか、ギルド長はニヤニヤしながら話す。

「はぁ、他に漏らさないで下さいよ?」

観念したザイアスは、アカネがした行動を口にする。すると、ギルド長はみるみる驚愕の顔つきになった。

「バカか!そんな話!」

「信じれないのはわかります。私も最初はそうでした。」

ザイアスは、はぁっとため息をこぼした。ギルド長は何か知りたくなかったような顔つきになる。が、すぐにザイアスに問いかける。

「ってことは、もしかしたら。」

「はい、彼女は、いや、異世界人は。」

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