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第四章 魔導師のお仕事 3話

間違えて次の章の内容を書いてしまいました。

てへぺろ ミ☆

修正しました。

その後、使い魔契約は無事に終了した。

詳細は秘密。説明が面倒だし、私は7割も関わってないし。

リゼルはすぐカズトの杖製作の手伝いを始めたので、私とザイアスは魔導師協会本部へ向かう。

契約に使った道具を返却するのと、鉱石トカゲの孵化作業報告書を持っていくことと、

「そろそろ魔導師としての仕事してもらおうと思いまして。」

初仕事を受けにいくことだ。

仕事を受けると聞いていたので、格好は軽装だ。

動きやすいジーンズに革のブーツ、私のサイズに合わせた胸元だけの革鎧、膝・肘の革のプロテクター、長袖に鎧と同じフィンガーレスグローブ、収納量増加のウエストバッグ、そして私の杖だ。

短杖はまだリゼルが調整中らしい。

「まぁ、難しい仕事は、今はなかったはずです。」

「なら少しは気楽に構えていい?」

ザイアスは笑顔で答えると、本部の扉を開いた。

魔導師協会本部は、実は何度か足を運んでいる。日本からの荷物などが本部に届けられる為、受け取りに来ていたのだ。

ただ、今日は仕事を受けに来たのだ。いつも通りに笑顔で受け取るわけではない。

肩には先程契約した使い魔アメリがキョロキョロと周囲を確認する。

「(ママ、人いっぱい。)」

「家よりは人がいるけど、そこまでじゃないよ?」

ちらほら人の出入りがあるものの、いっぱいという表現はあてはまらない。

ザイアスはこっちです、と依頼が貼られている壁掛けのボードに案内してくれた。

紙が数十枚ほど貼られていて、列ごとに整列されている。ボードの上には数字が振られている。

「階級ごとに分けられた依頼ボードです。アカネさんはまだ階級試験を受けない5級から行きましょうか。」

5級の列に貼られている依頼を記した紙をくまなく確認する。気になった依頼の紙を1枚剥がしてじっくり内容をみる。

【農業エリアにて苗の植え替えの為の畑の掘り起こしや、まだ開墾してない畑の作業手伝い】

ジェルドの農業エリアは私達の屋敷からも見えるので、夕食までに帰れば問題なさそうだ。

ザイアスに紙を見せると、ああ、とうなずいた。

「確かそろそろ新しく野菜を育てたいと言ってましたね。」

どうやら依頼人のことを知ってるようだった。私は受けることを伝えると、ザイアスが出入口近くのカウンターへ案内してくれた。

カウンターには可愛いゴスロリメイドさんがいた。猫の耳を頭にあるのを見て、獣人族だと分かった。

「シェナ、依頼受理の手続きをしてくれ。」

「はーい、異世界人さん、初めまして。」

どうも、と伝えて紙を受けとると、カウンターに置かれた水晶に何かをかざす。すぐその後にその何かを渡してくれた。

それはコインだった、ただ鎖がついていてネックレスになっていた。

「これが協会員の証明書です。無くさないようにお願いします。」

シェナからそう言われて、私はすぐ首に下げて、上着の中へ仕舞いこむ。

「依頼を受理しました。気をつけて行ってくださいね!」

「今回の依頼は開墾手伝いですから、精霊魔法が得意なアカネさんなら問題ないですね。やり過ぎないようにしてくださいね。」

カズトじゃあるまいし、と私が言うとザイアスは笑い出した。

「アカネさんはまだ加減が上手ですからね。」

ザイアスに魔導師協会の出入口まで見送りしてもらい、私は行ってきます!と手を振って別れた。




農業エリアにはあっという間に着いた。依頼書を見ながら、畑が広がるエリアを散策する。

「お、アンタはもしかして。」

まだ畑にもなっていない雑草が生えたエリアに着いた時に、そこにいた老夫婦に話しかけられた。

「魔導師協会で依頼を見て来ました。アカネと申します。」

丁寧に自己紹介すると、老夫婦はまぁ、と驚いていた。

「貴方、異世界人よね?」

「はい、数ヶ月前に移住してきました。」

速報効果で顔バレがスゴい。名前も明らかにマナリスには不釣り合いだから、分かりやすい方か。

「どう?こちらの世界は慣れましたか?」

「はい、皆さんが優しいおかげで助かります。」

そんな雑談をしながら、今回の依頼の場所に移動する。先程の場所から数ヵ所離れた場所に着いた。

「さっきのところから、ここまでの畑を開墾してほしいのよ。」

基本的には老夫婦の奥さんから話を聞いている。すでに旦那さんは別の畑で苗の水やりを始めていた。

「わかりました。あの、初めて仕事として行うので、何か気に入らなかったら遠慮なく言ってください。」

「まぁ、ご丁寧に。」

奥さんはよろしくね、と言って旦那さんの手伝いに行った。

私は杖を持ち替えて、畑の前に立つ。

「ス・ダラス・エンディア。」

精霊魔法を唱えると、畑の土がもぞもぞと水が沸くように動き出した。混ぜ返して栄養の偏りがないようにするのかな、深くやった方がいいって聞いたな。

「(ああ、待って!待って!)」

杖をつかむ手に引っ張られ、ビックリして振り向くとそこにはアリスが頬を膨らませて立っていた。

「ア、アリス。」

「(やり過ぎよ!この畑の下には地下水があって、掘りすぎると水の流れを崩すことになるのよ!)」

それぐらいきちんと探知魔法で調べなさいよ!とアリスはかなりお怒りモードで、私はひたすら頭を下げた。

「ごめんなさいって。」

「(はぁ、初歩の依頼なんだから、はりきりすぎよ。)」

「精霊さん、その辺にしてあげて。」

気づけば老夫婦が二人ともクスクス笑いながら、近づいていた。

「あれ、もしかして、アリスが見えてるんですか?」

「ええ、私達は元々、精霊魔法使いのよ。」

どうぞ、とお茶を差し出されて、ありがとうと受け取り、ぐっと飲み干す。すぅーっと喉がすっきりする。

「ゆっくりやってくれていいのよ、間違いは誰にでもあるから。」

老夫婦はにこやかに私の肩を叩く。私は次は気をつけてやります、と頭を下げた。

「特に貴方は異世界人だから、慣れないことも多いでしょう。頑張ってね。」

「はい!」

アリスに怒られて落ち込んでいたのを、少しは気楽になった。言った通りに探知して、しっかり周囲や地下の構造を見ながら作業を再開した。




「そろそろ休憩しませんか?」

老夫婦に声をかけられ、作業を中断した。依頼の半分位のエリアが終わった頃だった。

思ったよりも作業ははかどっているようだ。

「ほら、精霊のお嬢さんも良かったらどうかしら?」

「(はい、ありがとうございます。)」

アリスと共に老夫婦の小屋に案内された。農具や肥料等が置かれていたが、匂いはなかった。机と椅子があり、シチューやパンなどが用意されていた。

「さぁ、召し上がれ。」

「いただきます!」

私はきちんと挨拶をして、シチューをいただく。私の知ってるシチューとは色が少し違うが、味はほぼ一緒だった。パンは程よく硬めで、シチューにつけるとやわらかくて染みてなお美味しかった。

「美味しいです、私もこれくらい作れなきゃなぁ。」

「あら、アカネさんは料理が苦手かしら?」

奥さんから言われて、日本では簡単に作れる調味料頼りだった、と、説明した。

「便利なものが異世界にはあるのねぇ。」

「そのうち流通しますよ、あちらでは手軽なものですから。」

ペロッとシチューを食べ終わり、近くにあったフルーツを頂く。苺のような果実を食べたら、同じ味でホッとした。

「貴方みたいな良い方々が、来てくれれば嬉しいわ。」

「その辺りはきちんと政府が行いますから、大丈夫ですよ。」

ビザや素行調査とか移住の時に色々時間がかかったから、その辺はきちんとやってくれるはずだ。

今後はどうなるかは、分からない部分は多い。

「さて、私は作業の続きをしてきますね。」

「いいのよ、もう少しゆっくりやってくれて。」

老夫婦は無理しないで、と心配してくれたが、私はむしろどんどんやりたい気分だった。

「大丈夫です、コツを掴めたので慣れたくて。」

私は笑顔で答えると、小屋からでて作業を再開した。

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