表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/66

序章 今に至るまでの物語 3話

私達が、結婚する直前の9年前。

日本では、ある出来事が起きていた。

とある山の中腹に、異世界に通じる扉が開いた。

これは世界情勢をひっくり返すには充分だった。

調査等が行われ、世界が大パニックになった。

さらに、扉から異世界人が使者として現れ、日本政府との間に国交を開いた。

これにより、日本は唯一、異世界との国交が行える国として、世界の立ち位置が変わった。

異世界から物流だけでなく、旅行もできるようになった。

ただ、やはり日本のみでしか行われない為に、異世界産の物や、旅行次第がかなり高額であり、法的な手続きに時間がかかってしまう状態らしい。

日本政府は、今でも異世界の対策に追われ、世界中からの対応に追われ、国内の反応に四苦八苦している。



そして、私達がザイアスに会ったあの日に戻る。

ザイアスは、ゆっくり腰を据えて話したい、と誘われてホテルの一室に招かれた。

ホテルの一番広い部屋を取ったザイアスに私達はとても焦ったが、

「こちらの支払いは私がすべて持ちます。ご遠慮なさらず。」

ということだったので、受け入れた形になった。

何より、ミズハが初めてのスイートルームだった為にはしゃぎ出したので、断りきれなくなったのが本心だった。


夕食もご馳走になり、全員がようやく落ち着いた辺りでザイアスは口を開いた。

「先程の話の続きをしてよろしいですか?」

私とカズトは、ミズハが大型テレビで好きなアニメを見始めたのを確認したのち、頷いた。

「では、お話を続けます。」


ザイアスが語りだした内容は、あまりにも現実離れしていた。

「借金を肩代わりするので、私達の世界に来ませんか?」

という内容だったせいだ。

詳しく聞くためにも、このホテルに来たと言っても過言ではなかった。

何より、私達には借金の肩代わりが本当なのか、知りたかった。

「私は異世界人、貴方達日本人にとある可能性を見つけております。」

ザイアスは食器が片付けられた机に、書類を並べ始めた。

書類に目を通すと、その内容に驚いた。

「日本人には、私達の世界でいう所の、魔導師の素質が濃く見受けられます。」

魔導師---その言葉に私は心臓が跳ねた。

ファンタジー小説の好きな私には、たまらないフレーズであり、顔が緩みかけたが、なんとか押さえる。

カズトの方を見るが、表情が変わらないが、夫婦としての付き合いで分かる程度に興奮しているのがわかる。

そんな私達に構わず、ザイアスは続ける。

「ここからは、私が謝罪しなければならないことがあります。」

「謝罪?」

「はい、奥様に、アカネ様にですが。」

名前を呼ばれてきょとんとした私に、ザイアスは頭を下げながら話す。

「実はこの話は、アカネ様のご両親にする予定のお話でした。」

「え?」

両親、その言葉に私は戸惑った。カズトは話の先を促すように黙っている。

「この話は、実は老後の移住プランとして、日本人の皆様にご紹介していました。かなりの応募者があり、選考するも中々、素質がある方には会えませんでした。」

「え?だって、日本人なら素質があるんじゃ?」

先程の話と矛盾してないか、と不安になり、話の途中で質問する。

「はい、濃く見受けられる、と申しましたが、あくまで私達の基準よりは、です。」

ザイアスは時折笑みを浮かべて、疑問に答えた。

「話を戻しますね。そんな中、アカネ様のご両親の応募があり、選考した結果、素質がありました。」

苦労した末に見つけたのだろう、少し遠い目をしたザイアス。

「早速、お話を進めようとお伺いした際、ご両親からこうご提案されたのです。

-----自分たちの代わりに、娘夫婦ではダメか?と。」

「!!」

息を呑んで、口に手を当てた。カズトも驚愕の表情をしているのを見て、ザイアスは努めて笑顔を崩さない。

「ご両親のお話を伺い、事情を知っております。それでご両親のご協力を得て、アカネ様の髪の毛を採取させていただきました。」

「え!?い、いつの間に。」

「直近で実家に帰省なされた日に。」

実際に思い当たり、私はうわぁっと声に出していたのを見て、ザイアスは頭を下げた。

「申し訳ありません。不愉快な思いかとおもいます。」

「あ、いや、嫌だったわけじゃなくて、驚いたというか。」

「ちなみに、カズト様、ミズハ様も採取しましたので、合わせて謝罪します。」

「俺もか。」

今まで黙ってたカズトが思わず呟いていた。

「こちらで検査、選考した結果が、」

ザイアスは三枚の書類を並べ、私達の前に差し出した。

「3人とも、かなり高い素質が判明しました。」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ