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第三章 魔導具製作 5話

「二人ともよく似合ってるな!」

オフェリアの待つ部屋に入るなり、彼女はとても嬉しそうに近づいてきた。

「頑張ってみたよ、どうかな?」

「素晴らしい!やはり日本の文化はいい!」

そして、私の着物を見て、ん?とオフェリアの行動がとまる。

「アカネ、この袖の短さはなんでだ?」

「ああ、既婚者は短いのよ。振り袖、袖が長い着物は未婚の女性が着るものだから。」

着付けの本に書いてあった説明をすると、オフェリアはキラキラと目を輝かせて喜んだ。

「そうだな!アカネには可愛い女の子がいたな!今日は連れてきてるのか!?」

「残念ながら、今日は初等学校がありますので。」

カズトが答えると、オフェリアはがっくりと肩をおとした。

「会いたかったなぁ。」

「そのうち連れてきます。」

よほど会いたかったのか、トーンの落ち具合に私達は顔を見合わせ、カズトは渋々答えた。

また再び花が咲くように喜ぶオフェリア。この姿だけみれば、普通の女の子に見える。

「楽しみが増えたな!最近は、楽しみが増えたせいか、幾分気持ちがいい目覚めが多い。」

目覚め、と言う言葉から、私は以前見た夢の内容を思い起こした。

そして、言うべきか悩んだ。

果たして、そこまで言うべきかを。

「オフェリア様。」

「またそんな呼び方を、友達だから普通に、」

「最近変わったことありましたか?」

わざと、敬語でしかもしっかりと視線をはずさずに問いかけた。

オフェリアは私の言葉に一瞬戸惑っていたが、すぐ破顔する。

「何を言ってる、アカネが助けてくれたのではないのか?」

その言葉で、わたしは確信した。

やはり、オフェリアはあの夢を見ていたことを。

カズトは何の話か分からず、私に視線を向ける。

「あの夢の後は、悪夢は見てないのね?」

「ああ、すっかり見なくなった。それに屋敷内でいつも感じた違和感もない。」

オフェリアは改めてきちんと私に頭を下げた。

「ありがとう、アカネ。」

「偶然だよ、私だってビックリしたもん。」

笑いあう私とオフェリアに、外野となっているカズトとアリスは顔を見合わせていた。




「じゃ、あの違和感の正体は。」

オフェリアから事情を聞きながら、お茶会は始まった。

「監視だったのだ、国王の。」

「だから、視線を感じたんだな。」

カズトは事情を聞いて、納得してくれたようだ。

「(あの絵を介して監視なんて、また凄いことをしますね、現代の国王様は。)」

アリスも当然のようにお茶を頂いている。オフェリアも精霊が見え、会話が出来るそうで、せっかくだからと同じテーブルについている。

「全くだ、迷惑な話だ。」

「王位を放棄したのに監視を受けるなんて、オフェリアも大変ね。」

私は緑茶の入った急須を持ちながら、自分の湯飲みにお茶を足していく。

何にせよ、とりあえず大丈夫ということになっていた。

「こればかりは慣れないな。」

オフェリアは苦笑いをする。私達はその顔にようやくホッとした。

その証拠に、口調が変わった。普段はこっちの喋り方らしい。私達は信頼を得たのだ、と思うことにした。

「アカネ達もようやく魔導具を手に入れたのだな。」

私が杖を立て掛けてあるのを見て、オフェリアが話題を変えた。

「ようやく、というか。」

魔導師になったら、大体すぐ制作するのだが、私達はマナリスに慣れるまでに時間がかかったせいだ。

「カズトは杖ではないのか?」

「腕輪にした。」

カズトは着物の袖を少し捲ってみせた。オフェリアはほぉ、と眺めて見る。

「私は剣の柄の飾りに付いているんだ。」

今はないがな、とオフェリア。剣、と言う言葉に私達は少し驚いた。

「剣に付ける人いたんだ。」

「私はあくまで剣で戦うのでな。魔法は補助魔法が多い。」

なるほど、と呟くと私は杖を見ながら、運動しなきゃな、と心の中で思った。

「へぇ。」

「(アカネは、あまり運動しないのね。)」

アリスがこちらの思考を読んできたのか、そう呟いた。

「やめてよー言わないでよー。」

「こいつは運動嫌いなんだよ。」

カズトは紅茶を一口飲んで、理由を話す。

「ちょ、それはカズトもでしょ!」

「俺は見るのが好きじゃない。やるのはいい。」

言い訳を並べながら、あっと何かを思い出すカズト。

「どうせだ、オフェリア、頼みがある。」

「おお!いいぞ、何でも言ってくれ!」

カズトがニヤニヤしているが、私以外には真顔に見えているようで、オフェリアも真剣な表情に変わった。

「実は。」




「で、何故その話になったんですか。」

ザイアスがカズトに対して怒りの形相で問い詰めていた。

「なりゆき?」

「なりゆきでそんなことになりませんよ!」

頭を抱えて突っ込むザイアス。ああ、突っ込みがいる安心感。

「なんでよりにもよって、オフェリア様に素材集めを頼むのですか!」

カズトが依頼したのは、魔石採掘と杖の材料集めだった。

剣がメインという話だったし、ちょうどいいじゃん、という話の流れだった。

無論、オフェリアは大喜び。もう一人、専属の騎士を一人つれていこう!とかなりの乗り気だった。

「はぁ、もうだいぶ話が進んでましたか。」

ザイアスは深いため息をついたのち、

「私もいきます、私も多少は剣が扱えますから。」

同行を申し出る形に収まった。

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