↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/66

第二章 お姫様とのお茶会 3話

入った部屋もまた、豪華な造りで赤や金が散りばめられた、まさに王族が住まう場所といえるような部屋だった。

部屋の中央には円卓があり、一つの席には女性が座っていた。

金髪に薄い水色の瞳の10代の美少女、優雅な見た目なのだが、驚いたのは、彼女は赤地に花柄の浴衣を着ていたのだ。

「さぁ、入って。お話をしましょう。」

オフェリア・エレナス・ヴァンフォレア、現国王の姪にあたるお姫様は笑顔で迎え入れた。

「本日はお招き頂き、ありがとうございます。」

カズトが覚えた挨拶をすると、オフェリアは少し眉をつり上げた。

「堅苦しい挨拶もいらないわ、その帽子やベールも脱いでしまいなさい。」

そう言いながらオフェリアは、私達から帽子やベールを外しにかかる。帽子はあっさり奪われたが、ベールは時間がかかりそうはので、私も手伝って外した。

「あの、失礼します。」

ようやく席につくと、オフェリアは満足げに座る。

「こちらの自己紹介は省くわ、オフェリアでいいからね。」

「カズトと申します、隣が妻のアカネです。」

相手がいい、と言うならとあっさりとした自己紹介を済ますカズト。まぁ、相手がいいならと私は軽く頭を下げる。

「前にきたソーリダイジン?は、ほとんど国王が付きっきりだから、話が出来なくて。」

紅茶をつぎながら、オフェリアは愚痴り出した。

そりゃそうだろうねぇ、国王そっちのけでは話にならない。

「色々聞かせてね!えっと、まずは何から聞こうかしら。」

長丁場必至の状況に、私は内心はヒヤヒヤ。だが、そんなこと顔にすら出ないカズト。

「私達も知らないことは答えられませんので。」

「ああ、そうよね。大丈夫、難しい話じゃないわ。」

そういうと、オフェリアはあっと声をあげた。

「そうよ!まずは趣味を聞くべきね!」

まさに初めて顔合わせする見合い状態からのスタートになった。




「へぇ、カズトは本を集めてるのね。」

「はい、文学に興味がありまして。」

オフェリアとカズトが会話しているのを見ながら、私は相づちをして参加する。

「アカネも文学が好きだったのよね、学者か先生なの?」

マナリスでは本はあまり多く流通しておらず、集めてるという言葉にオフェリアは、恐らくそう考えたのだろう。

「日本で、いや、あちらの世界では製本や印刷等の、本を大量生産できる環境が整ってまして、かなり身近なものです。」

「大量に!?すごい、なら私でも手に入るのね!」

とても興奮した様子で話をするオフェリア。

「ただ、やはり言語が違いますから、読めませんね。」

「ああ、そうよね!言葉が通じるからてっきり大丈夫かと思ったのに、残念だわ。」

オフェリアは少し残念そうにうつむくが、

「私達が半月ほどで言語を覚えましたから、オフェリア様ならあっという間に覚えますよ。」

と私のフォローに、オフェリアは頑張るわ!と意気込んだ。

「ちなみに、どんな本がお読みになりたいのですか?」

気になってジャンルを聞いてみた。

「恋愛ね!冒険譚も好きよ!」

意外と女子っぽいとこがあるご趣味だった。

「なら、アカネ。漫画を貸したらどうだろう?」

カズトから言われて、確かにと同意する。漫画、という言葉に興味津々に訪ねるオフェリア。

「あー、絵本に近いですが、一枚のページに複数の絵を描いて、順番に読む形です。」

「ほぅ、実際に見てみたいものだ。」

説明が苦手な私の言葉にも興味を持ってくれたようだったので、次に来るときに持ってくると約束した。

「私の好きな恋愛物、お持ちしますね。」

「楽しみにしているわ!」




こうして、何とか円満にお茶会は進んだ。

なお、恋愛から派生して、私達夫婦の馴れ初めや娘の出産エピソードにも話が及び、結果、昼から夕方まで長引いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。