【揺花草子。】<その1443:メディアミックス化待ったなし。>
【揺花草子。】<その1443:メディアミックス化待ったなし。>
Bさん「年末にはなまはげが出没するじゃないですか。」
Aさん「えっ・・・今? 今この時期に年末の話をするの?」
Cさん「しょうがないじゃない、我々の時間軸では・・・」
Aさん「あーーーもういいですいいです。そう言う話はやめて下さい。
そうですね確かになまはげ出没しますね。
・・・って出没って言う言い方は酷いだろ!!」
Bさん「じゃあ徘徊?」
Aさん「それも酷い!!」
Cさん「それじゃ跋扈でどうかしら。」
Aさん「そんな魑魅魍魎みたいな言い方!!
いや・・・でもなまはげも妖怪みたいなものだし合ってるのかな・・・。」
Cさん「でもそんな百鬼夜行宜しくうろうろするのが目的じゃないんだから。
きちんと目的意識を持って家々を訪ね歩くんだから。
そう言う彼らに対してのさばるとか跳梁跋扈とか言うのは
失礼極まりないわよ阿部さん。」
Aさん「いやぼくそんなこと言ってないですよね!?
なんでさらっとぼくがなまはげたちを非難してる流れになってるんです!?」
Bさん「ともかく、年末にはなまはげが出現すると言う話です。」
Aさん「いや・・・まあ一部地域においてって話ね・・・。」
Bさん「なまはげと言えば『悪い子はいねが〜!!!』じゃん。」
Aさん「そうですね。」
Cさん「『門限を破る子は柱に張り付けます。』とも言うわよね。」
Aさん「それ東郷さん!!! 今やもう少し懐かしいですけど!!!!」
Bさん「恐ろしい形相で子供たちを諫め、それで以てムラと言う共同体の中で
あるべき振る舞いを教え込むと言うのがなまはげの役割だよね。」
Aさん「民俗学的解釈で言うと、まあそうだねぇ。」
Bさん「でもね、なまはげにはなまはげの共同体があるはずだよね。
なまはげのお父さんも居ればなまはげのお母さんも居る。
愛する家族が居るはずだ。」
Aさん「あー・・・うーん、まあ、そうなのかな・・・?」
Bさん「そうなると、なまはげの子供たちが大きくなって、
『人間の里に降りていって良いかどうか』をなまはげの大人たちが
審査するタイミングってのもあるはずだよね。」
Aさん「えっ・・・なにそれどう言うこと?」
Cさん「まあ言ってみれば運転免許とか教員免許みたいなものよ。」
Aさん「なまはげ免許ってことです?」
Bさん「そうそう。なまはげ業を営むためには第二種なまはげ免許を
取得しなきゃいけないみたいな。
プロなまはげのライセンスだよ。」
Aさん「ランクがあるんだ・・・?」
Cさん「そう言う風にライセンス制度になっているからこそ、なまはげは、
ただ単に人を怖がらせるだけのそこらのアマチュア妖怪たちとは違って
人々から尊ばれ敬われるってわけ。
プロ妖怪としての誇りがあるってことよ。」
Aさん「プロ妖怪・・・。」
Bさん「そして運転免許には路上教習があるように、教員免許には教育実習があるように、
なまはげ免許にも実地研修があると思うの。」
Aさん「実地研修・・・ですか・・・。うーん・・・。」
Cさん「だから、座学をそこそこに終えて初の現場で超ドキドキしてる
半人前のなまはげに当たることもあるかも知れないわよね。」
Aさん「そうですか・・・?」
Bさん「そして人間の世界が少子化に喘ぐのと同じように、なまはげの共同体でも
なまはげ業の高齢化と後継者不足が深刻だと思うんだよね。
代々続くなまはげの家系なのに、孫が将来はユーチューバーになるとか言い出して
頭を抱える当主とかもいると思うの。」
Aさん「なまはげの共同体にもネットの荒波が押し寄せてるんだ!!?」
Bさん「そんなわけで、年端もいかぬ子鬼であるにもかかわらず家の都合で
いきなりなまはげ業を継がされちゃうロリ鬼っ娘ちゃんとかもいるかも知れない。」
Aさん「あれなんか急にラノベ的な展開になって来たんだけど。」
Bさん「『なく子はいねがぁ〜〜〜・・・わるい子はいねがぁ〜〜〜・・・』
初めての実地でもう蚊の鳴くような声しか出せない鬼っ娘ちゃん。
人間たちはそんな鬼っ娘ちゃんの健気さにほっこりしちゃいます。」
Aさん「いや・・・それはどうなの・・・?」
Bさん「『うっ・・・ふぇぇ・・・うぅ・・・』」
Aさん「あ・あれ・・・」
Bさん「『なんでぇ〜〜〜!?
なんでないてる子いないの〜〜〜!?
うぇぇ〜〜〜ん!!』」
Aさん「鬼っ娘ちゃんが泣いちゃった!!!!!」
原案として使用してみませんか?
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