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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2015年2月
43/366

【揺花草子。】<その1477:将来有望。>

 【揺花草子。】<その1477:将来有望。>


 Bさん「よく言ってるけど、ぼくはバサーなんです。」

 Aさん「いやバサーって言う言い方は初めてされたよ。」

 Bさん「バシストでもいい。」

 Aさん「やっぱり聞いたことない単語だよ。」

 Bさん「バス乗りなんです。」

 Aさん「え、なにその『船乗り』とか『戦車乗り』みたいな言い方。

     別にバスを主体的に運転するわけじゃないよね?

     バスを交通手段に頻繁に使ってるってだけだよね?」

 Bさん「少しは夢見たいじゃない。」

 Aさん「解らないタイプの夢だな・・・。」

 Bさん「まあとにかく良くバスを使うわけだけども、

     最近はほらめっきり寒くなって来ちゃって。」

 Aさん「いやそれ最近って言うほど最近じゃないよ。

     それは3か月くらい前に言っておくべき台詞だよ。」

 Bさん「バスはさ、当然ながら一般道を通るわけだから、道路渋滞の影響を

     ストレートに受けるわけですね。

     一応時間帯限定のバス専用レーンなんてのもあるけど

     正直絵に描いた餅感がすごい。」

 Aさん「うーん。それはなんとも分からないけど。」

 Bさん「だから、時間に間に合うようにバス停に行っても、肝心のバスの到着が

     10分20分遅れて来て、寒空の下延々待たされるなんてことも日常茶飯事。」

 Aさん「あぁ・・・それはつらい・・・。」

 Bさん「でね、朝から雪がちらつくある日、ぼくはいつものように

     全然来ないバスを待ってたわけ。」

 Aさん「ふむ。」

 Bさん「もしぼくが恋する乙女だったとしたら『女の子を待たせるなんて最低!』って

     言ってやりたいレベルでバスが来ない。」

 Aさん「バスに恋するのかよ。」

 Bさん「で、ぼくと同じように、他にも多くのお客さんがバス待ちしていたわけだけど、

     ぼくのすぐ後ろには小さなお子さん2人を連れたお母さんが並んでいた。」

 Aさん「ふむふむ。」

 Bさん「お子さんはずいぶん寒そうでねぇ。なんだかうめき声をあげていた。」

 Aさん「うめき声・・・? マジで? どんなの・・・?」

 Bさん「『あっ・・・うっ・・・おっ・・・』みたいな。」

 Aさん「なにそれ・・・言葉にならない苦しみみたいな感じじゃん。大丈夫なの?」

 Bさん「『あっ・・・おっ・・・うっ・・・』」

 Aさん「うーん・・・。」


 Bさん「『ポーゥ!!』」

 Aさん「マイコー!!???」


 思わずムーンウォーク。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/02/12.html


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