【揺花草子。】<その1477:将来有望。>
【揺花草子。】<その1477:将来有望。>
Bさん「よく言ってるけど、ぼくはバサーなんです。」
Aさん「いやバサーって言う言い方は初めてされたよ。」
Bさん「バシストでもいい。」
Aさん「やっぱり聞いたことない単語だよ。」
Bさん「バス乗りなんです。」
Aさん「え、なにその『船乗り』とか『戦車乗り』みたいな言い方。
別にバスを主体的に運転するわけじゃないよね?
バスを交通手段に頻繁に使ってるってだけだよね?」
Bさん「少しは夢見たいじゃない。」
Aさん「解らないタイプの夢だな・・・。」
Bさん「まあとにかく良くバスを使うわけだけども、
最近はほらめっきり寒くなって来ちゃって。」
Aさん「いやそれ最近って言うほど最近じゃないよ。
それは3か月くらい前に言っておくべき台詞だよ。」
Bさん「バスはさ、当然ながら一般道を通るわけだから、道路渋滞の影響を
ストレートに受けるわけですね。
一応時間帯限定のバス専用レーンなんてのもあるけど
正直絵に描いた餅感がすごい。」
Aさん「うーん。それはなんとも分からないけど。」
Bさん「だから、時間に間に合うようにバス停に行っても、肝心のバスの到着が
10分20分遅れて来て、寒空の下延々待たされるなんてことも日常茶飯事。」
Aさん「あぁ・・・それはつらい・・・。」
Bさん「でね、朝から雪がちらつくある日、ぼくはいつものように
全然来ないバスを待ってたわけ。」
Aさん「ふむ。」
Bさん「もしぼくが恋する乙女だったとしたら『女の子を待たせるなんて最低!』って
言ってやりたいレベルでバスが来ない。」
Aさん「バスに恋するのかよ。」
Bさん「で、ぼくと同じように、他にも多くのお客さんがバス待ちしていたわけだけど、
ぼくのすぐ後ろには小さなお子さん2人を連れたお母さんが並んでいた。」
Aさん「ふむふむ。」
Bさん「お子さんはずいぶん寒そうでねぇ。なんだかうめき声をあげていた。」
Aさん「うめき声・・・? マジで? どんなの・・・?」
Bさん「『あっ・・・うっ・・・おっ・・・』みたいな。」
Aさん「なにそれ・・・言葉にならない苦しみみたいな感じじゃん。大丈夫なの?」
Bさん「『あっ・・・おっ・・・うっ・・・』」
Aさん「うーん・・・。」
Bさん「『ポーゥ!!』」
Aさん「マイコー!!???」
思わずムーンウォーク。
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