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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2015年2月
38/366

【揺花草子。】<その1472:研究目的としては。>

 【揺花草子。】<その1472:研究目的としては。>


 Bさん「ここ最近人工知能の性能がグッと向上してきているようですね。」

 Aさん「あぁー、うん、そんなニュースよく聞くね。」

 Bさん「一口に人工知能って言ってもいろんな種類があるけど、

     分野に特化するやり方がまあ基本だと思うんだ。」

 Aさん「分野に特化・・・とは?」

 Bさん「例えば、よくあるやつだと将棋とか囲碁、チェスみたいなルールが決まってる中で

     最適な手を選択するAI。」

 Aさん「ああ、なるほどそう言うこと。」

 Bさん「その他にも例えば任意の質問から回答を返却するやつとか。」

 Aさん「Siriさんみたいな?」

 Bさん「SiriさんはSiriさんでまた自然言語解析とかそう言う分野とも絡んで来るから

     純粋に人工知能だけの成果ではないけど、まあそう言うのも該当するよね。

     あとは最近とみに話題の自動運転車とかもそうだね。

     事象があり、その事象から導かれる結果を予測し、適切に対応する命令を発行する。」

 Aさん「ふむふむ。」

 Bさん「学術的には『弱いAI』と『強いAI』って言う表現があるんだって。」

 Aさん「『弱いAI』と『強いAI』?」

 Bさん「ぼくらが今一般的に人工知能と呼んでるものは例外なく『弱いAI』。

     膨大なナレッジベースや推論アルゴリズムにより入力に対する答えを返却するもの。

     これに対して『強いAI』とは、人間のような有機的な思考を実現した人工知能。」

 Aさん「有機的な・・・。」

 Bさん「例えば

     『もうすぐバレンタインだから

      ぼくはどんなチョコを阿部さんにあげたらいいかな?』と

     人工知能に訊いたとする。

     すると『弱いAI』はさらに希望の価格帯や阿部さんの年齢層やぼくとの年齢差、

     ぼくとの関係性なんかを追加入力として要求して、

     さらに売れ筋なんかの情報を加味して

     『これがいいと思いますよ』って¥1,500くらいのチョコを

     サジェストしてくれるでしょう。」

 Aさん「ふむふむ。まあシナリオとしては良くある感じだね。」

 Bさん「一方、『強いAI』に同じ質問をしたら、

     『阿部さんと言うのはこの人にとってどう言う相手なんだろうか』

     『この人は贈るチョコにどう言う意味を込めたいんだろうか』

     『下手に高いチョコをあげたら貰った阿部さんはすっかり

      勘違いしちゃうんじゃないだろうか』

     なんて言う推論を自分の中で進めて、結果的にブラックサンダーとかを

     サジェストしてくれるわけです。」

 Aさん「あれそのAIなんか悪意ないかな!?

     悪意アルゴリズムが組み込まれてないかな!?」

 Bさん「まあとにかく、言ってみれば『弱いAI』は集合知からの最適解の算定に長け、

     『強いAI』はより『ある特定の知人・友人』のようにふるまうと考えれば

     分かりやすいかな。

     包括的な認知判断能力を獲得した、言わばひとつの固有人格。」

 Aさん「ふむ。」

 Bさん「ま、そんな話もあるけれども、

     先日もプロ棋士をAIが囲碁で下したなんてニュースとか、

     10年後ぐらいには今ある人間の職業の何割かはロボットで代替されるなんて話も

     あったりしてね。」

 Aさん「うーん。」


 Bさん「この【揺花草子。】も10年後には

     人工知能同士のトーク企画になってるかも知れないね。」

 Aさん「そんなのニーズあるの!!???」


 ロボAさんとロボBさん。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/02/07.html


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