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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年12月
358/366

【揺花草子。】<その1792:サイエンストーク。>

 【揺花草子。】<その1792:サイエンストーク。>


 Bさん「最近はたいへん寒くてねぇ。」

 Aさん「最近はたいへん寒いねぇ。」

 Bさん「吐く息も真っ白って感じじゃないですか。」

 Aさん「確かにそうだね。

     朝とか帰りとか外歩いてるとそうだよね。」

 Cさん「最近の VR はそこまで進化したのね。すごいわ。」

 Aさん「なんですかそのぼくが外に出る=仮想現実みたいな結びつけ!!

     リアルに外にも出ますよ!!」

 Bさん「さっきも言ったけど、外で息を吐くと真っ白なヤツが出るじゃないですか。」

 Aさん「うん、出ますね。」

 Bさん「あれはなんだと思う?」

 Aさん「なんだとって・・・あの白いものはなにかって話?

     そりゃあもちろん、息じゃないの?」

 Cさん「それは確かにそうなんだけど、その成分の話よ。

     阿部さんはなんて話の流れが読めない人なのかしら。」

 Aさん「いや酷い言われようですね・・・。

     うーん、でもまあ、吐く息の主成分は二酸化炭素なんじゃ?」

 Bさん「つまり阿部さんは二酸化炭素が寒さによって白く見えるようになると言う論を

     提示したいと言うわけ?」

 Aさん「えっ。いや、そう言われるとそれはちょっとおかしいな。

     そうなると水蒸気・・・?」

 Bさん「おっいい線ついて来たね。」

 Cさん「人間の吐息に含まれる水分が外気温で急激に冷やされて水滴化するからなんですってよ。

     ヤカンで沸騰した水蒸気が白くなるのと同じ理由ってことね。」

 Aさん「なるほど・・・。」

 Bさん「そしてこれは、人間の吐く息と外気温の温度差が大きければ大きいほど

     白の度合いが強まるとも言えるわけです。

     さらに、外気自体が相応に湿度が高いとその度合いは強まるとも。」

 Aさん「はぁ。」

 Cさん「となれば、地球上で最も寒い場所であるところの南極なんてのは

     相当吐く息が白くなるんじゃないかって思うじゃない?」

 Aさん「まあ、理論的には・・・。」

 Bさん「でもね、実に不思議なことに、南極で吐く息は白くはならないと言うよ。」

 Aさん「あぁ・・・それなんか聞いたことあるかも。」

 Bさん「水蒸気が冷えて水滴になるにしても、くっつくための核となるものが必要で、

     それは空気中に存在する塵だったりするわけ。

     でも南極はあの圧倒的で極限的な気候の故に、空気中に塵の類いはない。

     非常にクリーンな空気と言うわけだね。

     だから水蒸気が凝固することが出来ないと言うことらしい。」

 Aさん「なるほどね。」


 Bさん「でも阿部さんは存在自体が汚いから

     南極でもものすごい白い息出そう。」

 Aさん「そう言うきみは

     真っ黒な息出しそうだよ。」


 罵り合い。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/12/23.html


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