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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年12月
344/366

【揺花草子。】<その1778:祖。>

 【揺花草子。】<その1778:祖。>


 Bさん「毎度おなじみ流浪の企画【揺花草子。】です。」

 Aさん「流浪ではないよね?

     いつもスタジオだよね?」

 Bさん「あのね、『タモリ倶楽部』の話題です。」

 Aさん「だろうさ・・・。」

 Cさん「阿部さんの家のテレビはアニメしか映らないから知らないかもだけれども、

     私たちの住む街では今は木曜深夜OA中よ。」

 Aさん「いやアニメしか映らないわけじゃないですよ!?

     ニュースとかバラエティとかドラマとかも映りますよ!?」

 Bさん「でね、そんなご存じ長寿番組『タモリ倶楽部』ですが。」

 Aさん「はぁ。」

 Cさん「毎回すごくニッチなネタを取り上げて来るわよね。」

 Aさん「そうですねぇ。

     なんと言うか世の中の日の当たらない部分を垣間見る気分ですよね。」

 Bさん「タモさんの博識っぷりがすごいよね。」

 Aさん「そうだねぇ。」

 Bさん「で、少し前に番組内で取り上げられてた企画が、

     電卓誕生前の機械式計算機の話題だったの。」

 Aさん「機械式計算機。」

 Cさん「アナログ計算機なんて言われ方もするけど、

     その歴史は大変古く、日時計なんかは古代バビロニアの時代には

     既に存在したと言うわ。

     目の前で繰り広げられる自然現象を定量化し観測しようと言う試みは

     人類文明の初期から連綿と続く営みなわけよ。」

 Aさん「うーん。人類の叡智。」

 Bさん「でね、この前番組で取り上げられてたのはそこまで古いものじゃなく、

     20世紀初頭から中頃ぐらいまでにかけて発明され実用化されてた

     民生用の計算機だったわけ。」

 Aさん「はぁ。」

 Bさん「なんかね、数字が書いてあるダイヤルがいっぱいあって、

     ハンドルをぐるぐる回していくと計算できる、みたいなやつ。」

 Aさん「ほほう・・・。」

 Cさん「使い方もちゃんと覚えないと難しそうだったし、

     手作業だから手順を間違えたら答えも違っちゃうみたいなことが

     起こりそうだけれども、

     それでも大きな数の計算には手で計算するよりは格段に速いって言う感じね。」

 Aさん「ふーむ。なるほど。」

 Bさん「そんな古式ゆかしい機械式計算機と、世界一計算が得意と言われる

     インドの方々が計算対決するってのが番組の企画だったわけ。」

 Aさん「あぁー、うん。インドの九九すごいもんね。」

 Cさん「インド式数学って言うのはどうやら日本の学校で習う数学とは

     計算手法と言うか視点がだいぶ異なるみたいなのよね。

     日本だと桁の多い数字どうしの足し算は1の位から順々に上がって行くけれど、

     インドの方は逆に一番大きい桁から計算してくんですって。」

 Aさん「へえ、そうなんですか?」

 Bさん「まあ計算結果を算出するにあたる時間コストは変わらないはずなんだけど、

     数字って大きい桁から数えて行くと言う基本的な概念に沿って考えれば

     確かに理に適ってると言えるんだよね。」

 Aさん「そう言う見方もできるね・・・。」

 Bさん「あとね、引き算にしても、10000 を 9000 + 900 + 90 + 10 と言う捉え方をして

     繰り上がりとか繰り下がりの考え方が簡単になってるの。

     あれはちょっと目から鱗って感じだったなぁ。」

 Aさん「ほほう・・・。」

 Bさん「短絡的にインド式数学を日本でも取り入れるべきだとは言わないけれども、

     インド式にしても他の国にしても、いろんな国の数学に関する考え方を

     幅広く知っておくって言うのはいろんな助けになるような気がしたよ。」

 Aさん「なるほどね・・・。」

 Cさん「日本にも『和算』って言う独自に発達した算術があったしね。」

 Aさん「あぁ・・・聞いたことありますね。」

 Bさん「そこでぼくは考えたよ。」

 Aさん「考えた。」


 Bさん「ここは一発

     『ブリジット式数学術』を

     立ち上げる時期かなと。」

 Aさん「どんな術だよ。」


 とりあえず看板を掲げてから考える。


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http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/12/09.html


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