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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年11月
322/366

【揺花草子。】<その1756:勢いがすごい。>

 【揺花草子。】<その1756:勢いがすごい。>


 Bさん「冬の足音が聞こえて来ますよ。」

 Aさん「まあ・・・確かにそう言う時期かも知れないねぇ。」

 Bさん「夜寝てるとさ。

     誰もいないはずの部屋の外の廊下をぺたり・・・ぺたり・・・と

     歩くような足音が聞こえて来るの。」

 Aさん「それはたぶん冬の足音じゃないよ!?」

 Cさん「ブリジットの寝込みを襲おうとする阿部さんの足音だと思うけど。」

 Aさん「とんでもなく人聞きの悪いこと言ってくれますねこの人!!?

     ぼくあなたたちの家の住所も知らないんですけど!!?」

 Bさん「あるいはもうちょっとホラーなやつかも知れないね。」

 Aさん「ホ・ホラー?」

 Bさん「真夜中に部屋の外から聞こえてくる足音。

     怪訝に思い恐る恐る部屋のドアを開けて廊下を見回すも、

     特に何もおかしなところはない。」

 Aさん「ふむ・・・。」

 Bさん「風の音かなんかだったのかな?

     そう思いながらドアを閉めて振り返ると、

     なんとそこには恨めしそうにこちらを睨む血みどろの女の姿が・・!!!!!」

 Aさん「怖っ!! なにその恐怖体験!!!」

 Bさん「いやでも、ちょっと話が逸れちゃった。

     とにかく冬の足音が聞こえますと言うお話。」

 Aさん「お・おう・・・。」

 Cさん「俗にこう言う冬の訪れのことを『冬将軍』なんて言ったりするわよね。」

 Aさん「ああ、ええ、そう言う言い方しますね。

     もともとは何でしたっけ、ナポレオンのロシア遠征での手痛い敗退が語源とか

     そんな感じでしたっけ?」

 Bさん「うん、『冬将軍』って言葉が世に放たれたのはこの時がきっかけだったみたい。」

 Cさん「もっとも実際にはロシアは歴史を通じて何度となくこの寒さを武器に

     外敵を退けて来たりしてたようだけれどもね。」

 Aさん「うーん。まさに地の利。」

 Bさん「でさ、ぼくら日本人・・・まあ厳密にはぼくらは日本人ではないけども、

     日本で教育を受けて育って来てる人たちにとってみれば、

     一般的な理解と言えば将軍と言えば征夷大将軍じゃないですか。」

 Aさん「まあ・・・それはそうだねぇ。」

 Cさん「征夷大将軍。

     平安時代まで遡れば坂上田村麻呂とかが出て来るけど、

     より一般的には各時代時代の武家政権であるところの幕府の頂点、

     武家の棟梁、武門の長として天下を治める官職よね。」

 Aさん「そうですね。」

 Bさん「もちろん近代以降も軍事政権国家では『将軍』を

     その国の実質的君主とする例があるけれども、

     基本的な我々の理解では『将軍』と言うのは

     歴史の上でしか聞かない用語なわけです。」

 Aさん「そう言われると、確かに。」

 Bさん「そう考えたら、『冬将軍』って言うのも少し

     時代に合わなくなって来てる感があると思うんだ。

     もうちょっと現代的に改めるべきなんじゃないかと。」

 Aさん「現代的? 例えばどんなの?」


 Bさん「冬CEOとか。」

 Aさん「どう言う業態の企業だよ。」


 国際的商社って感じか。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/11/17.html


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