【揺花草子。】<その1749:リンゲルマン。>
【揺花草子。】<その1749:リンゲルマン。>
Bさん「で、昨日もお話していた『アリとキリギリス』の話なんですよ。」
Aさん「あぁ・・・昨日の続きなの?」
Cさん「昨日は阿部さんのダメ人間っぷりを糾弾するだけで
尺を使い切ってしまったからね。」
Aさん「だったら無理に糾弾してくれなくてもこっちは全然構わないんですけど?」
Bさん「そりゃぼくらだってね、ほんとはあんなこと言いたくないんだよ。
阿部さんは信じてくれないかも知れないけど、ぼくらなんてのはもう
大変に穏和な類の人間ですよ。
菩薩かってレベルですから。」
Aさん「いやー・・・それはちょっと分からないかな・・・。」
Cさん「でも阿部さんのことを思って心を鬼にして言ってるのよ。
阿部さんはこのままじゃそう遠くない未来に人の道を踏み外してしまうから。
そうなったら私たちも悲しいもの。」
Aさん「いや・・・なんでそんなマジな顔で心配されてるんですかねぼく?
あなたたちが思ってるよりはもう少し
良識と見識を持ってる方だと思ってるんですけど?」
Bさん「自分のことは自分がいちばん分からないってやつだ。」
Aさん「腹立つななんかそう言うの!」
Bさん「とにかくアリとキリギリスで言えば、阿部さんはキリギリスだって話。」
Aさん「うーん・・・まあ、うん、話を進めるためだけに
ここはとりあえず同意しておこう。」
Bさん「対してぼくがアリかって言うと、ちょっと違うよね?」
Aさん「そうだね。きみはアリじゃないね。」
Bさん「どっちかと言うとお花畑を優雅に舞い踊る蝶だよね。」
Aさん「蝶は越冬できないんですけどそれはいいんですか。」
Cさん「そんなことないわ。
成虫で越冬する種もけっこういるらしいわよ。」
Aさん「いや・・・そうなんですか?
まあそれは本筋じゃない気がするんで割とどうでもいいんですが・・・。
そう考えると、カトリーヌさんは?」
Cさん「私はキリギリスね。」
Aさん「アレ。そうですか?」
Bさん「ママンは意外にも・・・意外でもなんでもないかも知れないけど、
自分の欲求にすごくストレートだからね・・・。
なまじスペック高いだけにやりたいことあっさり出来ちゃうタイプだから・・・。」
Aさん「あぁ・・・それは分かるかも。
でも享楽的で刹那的ってわけではない気が。」
Cさん「それはもちろん。」
Aさん「もちろんなんですか。」
Cさん「私はキリギリスの中でも
ちゃんとしてる方の2割だから。」
Aさん「キリギリスは 8:2 で
ちゃんとしてない方が多い前提なんですか。」
キリギリス界隈からの批判が聞こえてきそう。
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