【揺花草子。】<その1729:信じる心。>
【揺花草子。】<その1729:信じる心。>
Bさん「信じてた人に裏切られるって言うプロットは
絶望感の演出としてかなり頻繁に使われるよね。」
Aさん「えっなに? なんの話?」
Cさん「物語の作り方の話よ。
なんで解らないのかしら?」
Aさん「いやあまりにも唐突に言われたもので・・・」
Bさん「唐突に物事が始まるのは【揺花草子。】のいつものやり方でしょ。
むしろ世の中のだいたいの出来事は唐突だよ。
阿部さんの逮捕だって唐突だったし。」
Aさん「唐突だったって過去形はやめてくれないかな!?
そんな事実は決してないからね!?」
Bさん「ああそうか、それはもうちょっと先の話だったっけ。」
Cさん「この時間軸の繰り返しももう何回目か分からないぐらいだから
時系列の整理がよく分からない感じになっちゃったわ。」
Aさん「なんですループものなんですか?
ぼくひとりが気付かないだけで世界は何順もしていたんですか?」
Bさん「そこは阿部さんは知らなくてもいいところだから。」
Aさん「なにその無駄に意味深な物言い!!?」
Bさん「とにかく信じていた人に裏切られるって言う展開は
物語の作り方としてはかなりメジャーだし、
主人公に深い絶望を与える演出としてよく使われるよねーって話。」
Aさん「まあ・・・それはそうですねぇ。」
Cさん「具体的には10話目ぐらいで良くある展開よね。」
Aさん「1クールを前提に話すのやめてもらっていいですか。」
Bさん「でも最終話ラストバトルの後で和解するよ。」
Aさん「だからそう言う・・・。」
Bさん「例えば親友とか幼馴染。
あるいは家族、兄弟。
時には愛し合った恋人。
そう言った、主人公にとってその人が大切であればあるだけ、
主人公の受ける絶望感は大きなものになるし、
主人公に感情移入して観ている視聴者層に対しても
深い悲しみをもたらすわけだよね。」
Aさん「まぁ・・・確かに。」
Cさん「前半話数ではすごく仲良かったり、お互いの大切さを語り合ったりして
お互いの存在を認め合ったりするわけだけれども、
終盤に大どんでん返し・・・的なね。」
Aさん「うーん。そう言う伏線もありきたりですね。」
Bさん「物語の話をしたけれども、まあこれって実際問題
世間一般でも言えることじゃないですか。
この生き馬の目を抜くような血で血を洗う世の中では
相手を陥れて出し抜いて蹴落としていかなければ生きていけない。」
Aさん「いやどんな世紀末?
少なくともこの国はそんな殺伐とした世の中じゃないよね?」
Bさん「社会的に高いポジションに立てば立つほど、
その辺に対して臆病になる人も多いと聞くよ。」
Cさん「いつ他人から騙されるか分からない。
いつ転落するかも知れない。
もしかしたら今隣でにこやかに笑っているこいつは、
胸の内に密かに刃を隠し持っているのではないか・・・。
そんな思いに汲々とする人もいるとか。」
Aさん「まぁ・・・。」
Bさん「でも大丈夫だよ。
ぼくは何があっても阿部さんのことを裏切ったりはしないから。
いつだって阿部さんの味方でいてあげるから。」
Aさん「えっ? あっはい。」
Bさん「あっはいじゃないよー!
なにその薄いリアクション!?」
Cさん「久美子ちゃん的に言えば愛の告白よ?」
Bさん「(違う!!!!!////)」
Aさん「何け何ーフォニアムですか・・・
まあでも、うん、そうだね、
そうあって欲しいと──ぼくも願う。」
Bさん「──うん。」
Cさん「前フリよ。」
Aさん「なんの!!???」
この伏線が回収されないことを祈る。
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