【揺花草子。】<その1718:アウトドアマン。>
【揺花草子。】<その1718:アウトドアマン。>
Bさん「体育の日ですねぇ。」
Aさん「秋ですねぇ・・・えっ!?」
Cさん「どうしたの阿部さんそんな驚いて?」
Aさん「い・いえ・・・ちょっとなんかいつもと流れ違うなと思って・・・」
Bさん「今日も秋シリーズだと思った?」
Aさん「うん・・・思った。
って言うか毎年言ってる気がするけど
10月10日が体育の日って言うのはずいぶん前のルールだから!
今は10月第2月曜日って言うルールだから!」
Bさん「今日10月第2月曜日だよ?」
Aさん「っっっ。」
Cさん「これだからカレンダーと無縁の生活を送ってるヒキオタは困るわ。」
Aさん「なに言ってくれてるんです!!?
ちょっと勘違いしただけじゃないですか!」
Bさん「阿部さんのそう言う無思慮さとかは別にどうでもいいんです。
ともかく秋ですよ。」
Aさん「やっぱり秋シリーズなんじゃないか!」
Bさん「秋と言えば『行楽の秋』じゃないですか。」
Aさん「えっ・・・おぉ、まあ、確かにそうだけど・・・。」
Bさん「過ごしやすい季節になって、天気がいい日は風も心地良く陽射しもあたたかい。
空はどこまでも高く青く澄んでいて、白い雲が気持ちよさそうに空を泳ぐ。
そんな心地良い空模様の下で旅行やピクニックにしゃれ込むなんて
すごく楽しいよね。」
Aさん「アレ。超絶インドア派らしからぬ意見。」
Bさん「酷いなあ阿部さんは。
阿部さんみたいにいっそ自宅とこのスタジオが地下鉄で直通になればいいのにとか
全ての買い物をネットで済ませられればいいのにとか
思ってるわけじゃないんだよ。」
Aさん「いやそんなこと思ってないですけど!?
それもうインドア派って言うかただの出不精じゃん!」
Bさん「そんなわけで、行楽に勤しみたいわけですよ。」
Aさん「ほほう、行楽・・・。」
Bさん「ぼくらの街で秋の行楽と言えばもうご存じ芋煮会ですよ。」
Aさん「芋煮・・・まあ確かに、今の季節は盛んだねぇ。」
Bさん「もっぱら河原で開催されますね。」
Aさん「そうですね。」
Bさん「そこらへんにごろごろ転がってる石でかまどを組んで、
他県民からは奇異の目で見られがちなコンビニの軒先で売ってる薪と
ホームセンターで買ってきた着火剤、
そして阿部さん秘蔵の薄い本を焚き付けにして火を熾す。」
Aさん「イヤッ!! それは困るなあ!!!
もっと古新聞とか古雑誌とかを使って欲しいなあ!!」
Cさん「そしてたっぷり水を張ったおっきな鍋を火にかけて、
程好いタイミングで乱切りにしたニンジン、大根、里芋、ゴボウなどを投入。
丁寧に灰汁を取りながらいい感じに煮立ったところで
豚バラ肉やこんにゃく、ネギなどを投下。
そして仕上げにお味噌で完成ね。」
Aさん「うーん。隣県各地から『全然違う!!』ってツッコミが来そうなレシピですね。」
Bさん「ふだんはインドア派で大人しい人がやけに火付けが上手かったり
すごく気の回る良くできた器量良しに見える人なのに包丁が全然ダメだったりとか、
こう言うイベントでは普段は見られない意外な一面が垣間見えたりもします。」
Aさん「まあ、そう言うのもあるだろうねえ。」
Bさん「そんなわけで阿部さんにも良いところを見せて欲しいと思うよ。」
Aさん「えっなにそれは芋煮会やろうって言うお誘い?
【揺花草子。】でやるの?」
Cさん「そうそう。女子2人に囲まれて芋煮とかってリア充まっしぐらね阿部さん。」
Aさん「そう言う打算的な言い方が既にリア充から遠い気がします・・・。」
Bさん「とにかく芋煮。阿部さんの頑張りに期待するよ。」
Aさん「おっ・おう・・・まあ、企画だってんならもちろん頑張ろうとは思うけど・・・。」
Bさん「でもさ、やっぱり野外で薪を使って火を熾すって大変だし、
なにより終わった後に炭の匂いが服とか髪にすごい着いちゃうんだよね。」
Aさん「ああ・・・まあ、確かにそうだねぇ。
いかにも芋煮帰りって感じの焦げ臭い匂いの人が
地下鉄にいたりもするよねこの時期は。」
Bさん「あれがね、どうにもダメだから・・・。」
Aさん「はぁ・・・。」
Bさん「なので出来上がる頃に
連絡もらうってことで・・・」
Aさん「1人で作れってか!!???」
材料は切って渡しておくので。
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