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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年9月
280/366

【揺花草子。】<その1714:坂の上の。>

 【揺花草子。】<その1714:坂の上の。>


 Bさん「秋ですねぇ。」

 Aさん「秋ですねぇ。」

 Bさん「秋と言えばなんですか。」

 Aさん「えっ、それ昨日も言っただろ?

     今日もおんなじネタなの?」

 Bさん「同じネタを2回続けて何が悪い。」

 Aさん「いやなにその『裸になって何が悪い』みたいな言い方・・・。」

 Bさん「とにかく秋と言えば何かを阿部さんに問うよ。」

 Aさん「いや・・・だから『読書の秋』なんじゃないの?」

 Cさん「阿部さんは全く成長がないわね。」

 Aさん「なんです!!?」

 Cさん「昨日と同じ話をしてもしょうがないじゃないの。

     昨日は昨日、今日は今日よ。

     何なのかしら阿部さんはもう人生の秋を迎えて

     これ以上の進歩は望めないのかしら。」

 Aさん「人生の秋とかって随分な言われようですけど!!!」

 Bさん「秋と言えば『実りの秋』じゃないですか。」

 Aさん「えっ・・・あぁー・・・まぁ、そうも言いますね・・・。」

 Bさん「ご存じ秋は収穫の季節。

     お米も獲れる季節だし、果物や野菜、それに秋刀魚なんかが美味しい季節だよね。」

 Aさん「うん、そうですね。」

 Bさん「こう言う秋の事物は文学でもたくさん扱われています。

     例を挙げるまでもなくたくさんある秋の句にもいっぱい出て来るよね。」

 Aさん「ええ、はい。」

 Bさん「そんな中でとりわけ有名な句、

     『柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺』と言うのがあります。」

 Cさん「ご存じ正岡子規の句ね。」

 Aさん「ええ、そうですね。」

 Bさん「余談だけれどもこの句が出来た頃にはもう子規はかなり病が進行していて、

     実際に法隆寺に参拝したわけではないとも言われているよ。」

 Aさん「えっ! そうなの!?」

 Cさん「少なくとも法隆寺の鐘の音を聞きながら読んだ句ではないと言うのは確からしいわ。」

 Aさん「お・おぉ・・・そうなんだ・・・」

 Bさん「まあそれはそれとしても、この句の美しさと言うか素晴らしさが

     損なわれるわけでは決してない。」

 Aさん「まあ、そうですね。」

 Bさん「ところでぼく、この句に関して長年思ってることがあってさ。」

 Aさん「思ってること? 一体なに?」

 Bさん「『鐘が鳴るなり』の部分なんだけど。」

 Aさん「うん。」


 Bさん「兼賀成也かねが・なるなりさんって名前の人

     居そうだよね。」

 Aさん「居そうかなぁ・・・。」


 『兼賀』と言う苗字は実際にある模様です。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/10/06.html


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