【揺花草子。】<その1689:そして母になる。>
【揺花草子。】<その1689:そして母になる。>
Bさん「その日は日曜日だったんだけどね。」
Aさん「え、うん。」
Bさん「一応前提から話しておくと、ぼくらのこの【揺花草子。】って言う企画は、
毎日収録してるわけじゃないじゃないですか。」
Aさん「まあ、そうだねぇ。
そのぶん日によっては2本録り3本録りしてるわけだものね。」
Bさん「そして収録がある日は平日とは限らない。」
Aさん「はい、そうですね。」
Cさん「そこらへんに私がこうも長い間出演を続けられる秘密があるんじゃないかと
勘繰ってくれるといいと思うわ。」
Aさん「なに言ってるんです?」
Bさん「ともかくその日は日曜日。
いつものようにバスに揺られてスタジオへ向かっていたぼく。」
Aさん「はぁ。」
Bさん「やっぱり平日と土日とではバスを利用する客層もだいぶ異なります。
普段朝のバスではあんまり見かけない小さな赤ちゃんを背負った
お母さんとかの姿も。」
Aさん「ふむふむ。」
Bさん「その日見かけたお若いお母さんは小さな赤ちゃんを抱いてたんだけど、
観るに、どうやらお腹の中には2人目がいるようで。」
Aさん「おぉ。それはめでたいことだねぇ。」
Bさん「で、そのお若いお母さんは身重の体で多少難儀しながらバスに乗り込み、
バスの入り口すぐそばの優先席に腰を落ち着けた。」
Aさん「ふむふむ。」
Bさん「優先席は3人座れるくらいの広さがあるんだけど、
既に70がらみのおばあさんが座っててね。
お若いお母さんはそのおばあさんの隣に座ったわけです。」
Aさん「うん。」
Bさん「するとそのおばあさん、お若いお母さんが抱いている赤ちゃんを見て表情を崩す。
あやしてあげたりかまってあげたりで、赤ちゃんもきゃっきゃと楽しそうでした。」
Aさん「うんうん、ほほえましい光景だねぇ。」
Bさん「でね、おばあさんはお若いお母さんとお喋りを始めたわけですよ。
『かわいいわね〜何ヶ月?』とか『そろそろ離乳食の時期ね』とか
そんな感じの子育てトーク。」
Aさん「ふむふむ。」
Bさん「お若いお母さんの方も嬉しそうにそれに応じていた。
にこにこ楽しそうに受け答えしてて、
まるで以前からの知り合い同士の会話のようだったんです。」
Aさん「ほほう・・・。
でも初対面だったんだよね?」
Bさん「会話の内容から察するに、まあそれは間違いなさそうだったの。
でもとても親しげだった。
垣根を作らないおばあちゃんの話し方もあったのかも知れないし、
お若いお母さんの社交性の所以だったのかも知れない。」
Aさん「うーん。」
Bさん「あるいは、もしかしたらそれが母になると言うことなのかなとも。」
Aさん「うーーーん・・・。
それはなんとも、ぼくには判らないなぁ・・・。」
Bさん「超絶内弁慶のぼくでも
母親になったら他所の人と
あんなにフランクにおしゃべりできるようになるのかな?」
Aさん「内弁慶って積極的に認めていくスタイル!!」
母親になるイメージは全く湧かない。
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