表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年9月
253/366

【揺花草子。】<その1687:耐えかねる。>

 【揺花草子。】<その1687:耐えかねる。>


 Bさん「夜爪を切ると親の死に目に会えないって言うじゃないですか。」

 Aさん「あぁ・・・今日も迷信シリーズなの?」

 Cさん「阿部さんはもっぱら夜に爪を切る親不孝者なのよね。」

 Aさん「ちょっと!! なんてこと言ってくれてるんです!?

     すごい謂れなき中傷食らってますけど!!」

 Bさん「じゃあ朝とかお昼に爪を切るの?」

 Aさん「いや・・・まあそれは・・・。

     朝とかってそんな時間取れないし・・・。」

 Cさん「阿部さんの場合は寝て起きたら夜だものね。仕方ないわよね。」

 Aさん「どんな乱れた生活ですか!!

     だから昼間はここに収録に来てるでしょ!!」

 Bさん「とにかく、夜に爪を切ると親の死に目に会えないと言うこの事象。

     これはどう言うことなんだろうね?」

 Aさん「よく言われるのはあれだよね。

     夜暗い中で爪を切ると手元がおぼつかなくて危険だとか、

     切った爪がどこに飛んでったか判らなくなるから危ないとか・・・」

 Bさん「それは『夜爪を切っちゃいけない理由』でしょ。

     それは分かるの。

     そうじゃなくて、

     なんで『夜爪を切ること』によって『親の死に目に会えない』なのかと言うこと。」

 Aさん「ん・・・? なにどう言うこと?」

 Cさん「だから、夜爪を切ることを禁止したいなら、

     別に親の死に目に会えないと言うペナルティに固定しなくても

     いいはずじゃないってことよ。

     例えば『夜爪を切ると深夜アニメを録画したHDDがぶっ壊れる』

     とかでも良いはずじゃない。」

 Aさん「イヤッ!!! それすごい困りますけど!!

     絶対夜爪切らないようにしますけど!!

     ・・・でもまあ、確かに、そう言われればそうですね・・・。」

 Bさん「そこで膏薬貼りの達人・ぼくの出番だよ。」

 Aさん「膏薬って言っちゃうんだね。」

 Bさん「あのね、まず前提として、

     その人は親御さんと離れて暮らしているってことにするよ。」

 Aさん「はぁ。」

 Bさん「で、不意に思い立って、爪を切ろうとした彼。

     まさにその時、親御さんの危篤の報が入る。」

 Aさん「んんっ・・・!!」

 Bさん「急ぎ立ち上がり身支度を整え家を飛び出す彼。

     愛する家族のもとへ走る!」

 Aさん「むむむ・・・! 緊迫して来た!」

 Bさん「しかし突然足の痛みを訴えてうずくまる彼!

     これ以上走れない・・・!

     こうしている間にも親御さんは峠を迎えてしまうかと言うのに・・・!」

 Aさん「えっ・・・!!」

 Bさん「そして彼は激しく後悔するわけだよ。」

 Aさん「後悔・・・。」


 Bさん「『深爪しすぎた・・・!』」

 Aさん「それ夜に爪切るとか関係なくない!?」


 今ひとつくっつきの悪い膏薬でした。


----------

「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/09/09.html


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ