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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年8月
238/366

【揺花草子。】<その1672:言語学。>

 【揺花草子。】<その1672:言語学。>


 Bさん「阿部さんは日本語得意?」

 Aさん「えっ?

     イヤ・・・日本語得意って言うか、

     日本語だけしか得意じゃないって言うか・・・」

 Cさん「阿部さん程度のトーク力で日本語が得意とかって

     もうお笑い草ね。」

 Aさん「酷くないです!!?」

 Bさん「日本語ってさ、外国の人にはなんとも習得の難しい言語らしいじゃない。」

 Aさん「うーん、まあそう言う話は聞くね。」

 Bさん「なにぶん他の言語とあまり共通してるところがないんだよね。」

 Aさん「そうみたいだね。」

 Bさん「そう言う言語間の共通性を主眼に分けることを『語族』って言うんだけど、

     英語とかフランス語とかドイツ語とか、多くのヨーロッパの言語は

     『インド・ヨーロッパ語族』と言うグループに属している。

     中国大陸などで使われている多数の言語は

     『シナ・チベット語族』に含まれてる。」

 Cさん「それに対して日本語は周辺各地域の言語とは

     そこはかとなく系統関係があるようにも感じられるけれども、

     どうも独自の起源を持って独自の発展を遂げた言語のようだぞ、と

     言語学界隈では語られているわ。

     言語学ではこのような言語を『孤立した言語』と呼ぶんだけど。」

 Aさん「ふーむ。」

 Bさん「同系統の言語、例えば英語とドイツ語とか、ポルトガル語とスペイン語なんかは

     文法的には良く似通っていて、極端な話音韻や語彙が違うだけだから

     それぞれの母国語話者にとってそれぞれの言語はわりと習得が容易だけども、

     系統が違うとなるとそう簡単な話じゃなくなるわけで。」

 Cさん「ざっくり言えばヨーロッパ人にとって

     他のヨーロッパの国の言葉を覚えるのはそれほど難しくはないと言うわけ。」

 Aさん「そう言うものなんですね。

     カトリーヌさんも色んな言葉話せるんですか?」

 Cさん「フランス語は母国語だけど、あとは英語とドイツ語とスペイン語と・・・

     それと日本語ね。」

 Aさん「(さすがの才媛!!)」

 Bさん「まあともかく、日本語は難しいって話ですよ。」

 Aさん「うーん。母国語話者としては良く分からない感覚だけどね。」

 Bさん「例えばさ、『お寿司』って『おすし』って読むじゃん。」

 Aさん「そうだねぇ。」

 Cさん「でも『巻き寿司』って書いたら『まきずし』って読むでしょ?」

 Aさん「あぁ・・・確かにそうです。」

 Bさん「あと、『お醤油』は『おしょうゆ』だけど、

     『わさび醤油』は『わさびじょうゆ』じゃない。」

 Aさん「何なのお寿司とかお刺身とか食べたいの今日?」

 Bさん「こんな風に、おんなじ字面なのに音が濁ったり濁らなかったりとかさ。

     日本人は当たり前に自然に使い分けられてるけど、

     外国の方にはこれはもう大変なことなんじゃないかと思うんだよね。」

 Aさん「うーん、まあそうかも知れないけど・・・。」

 Bさん「これってちょうど、英語で言えば定冠詞『the』を

     『ザ』と読むか『ジ』と読むかみたいな違いじゃないかと思う。」

 Aさん「なるほど、そうかも。」


 Bさん「『DB』を

     『ディービー』って読むか

     『デービー』って読むかの違いと一緒だね。」

 Aさん「それはぼくら界隈では後者が正解だろ。」


 取り違えないようにわざとそう発音する文化です。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/08/25.html


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