表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年8月
237/366

【揺花草子。】<その1671:商売の種の話。>

 【揺花草子。】<その1671:商売の種の話。>


 Bさん「阿部さんはネット通販とかよく利用する方かな?」

 Aさん「え? うーん、まあ、しますね。」

 Cさん「セロテープ1個をアマゾンさんに発注したりするタイプよね。」

 Aさん「さすがにしませんけど!?」

 Bさん「でも今日び、実際そんぐらいって余裕じゃないですか。

     アマゾンさんに関して言えば食品の取り扱いだってあるし、

     生活に必要なものってだいたいネットで買えちゃいますよね。」

 Aさん「まあ・・・コスト的に合うかどうかって点はあるけどね・・・。」

 Bさん「それはそうだけど。

     わざわざお豆腐をネットで注文するってのもどうかって感じだしね。」

 Aさん「なんでそんなよりによって足の速いやつを・・・?」

 Cさん「そんなわけで、なんなら家から出なくても通販だけで生活するのはもはや余裕よね。

     阿部さん良かったわね。」

 Aさん「良かったわねの意味が解りません。」

 Bさん「でもそうやってネット通販ばっかり使ってると、

     段ボールとかがどんどんたまっていく。」

 Aさん「うーん、確かに。」

 Cさん「その都度その都度ちゃんとまとめておいて、

     古紙回収日にちゃんと捨てられればいいけど、

     ぶっちゃけ阿部さんの部屋にはあのにやけた顔の段ボールの空き箱が

     そこらじゅうに塔を形成してるでしょ。」

 Aさん「うっ・・・否定できないです・・・」

 Bさん「段ボールもそうなんだけど、中に充填されている緩衝材も処分の際は厄介だね。

     とっても面倒くさい。」

 Aさん「確かに・・・。

     ビニールのやつは分別しなきゃいけないし、

     紙をくしゃくしゃに丸めたやつを隙間埋めに使ってるやつは広げてまとめて

     古紙回収に出さなきゃいけないしね。」

 Bさん「でさ、そんな緩衝材の中で、お手玉ぐらいの大きさの、

     空気がパンパンに入ったビニール袋のやつを見たことはないかな?」

 Aさん「ああ、うん、たまにそう言うのあるね。」

 Bさん「あれさ、ぼく、けっこういいアイディアじゃないかと思うんだ。」

 Aさん「うーん・・・まあ確かに、紙のやつよりは処分はしやすいよね。

     ビニールを破って空気を抜いてぺったんこにして

     そのままプラゴミに捨てればいいんだし。」

 Bさん「誰がぺったんこだ!!」

 Aさん「言ってない!! そう言う特定ワードに過剰反応示すのやめて!!?」

 Bさん「まあでも、そう言うことじゃなくて。」

 Aさん「そう言うことじゃない、とは?」

 Bさん「その、パンパンに膨らませるための空気だよ。」

 Aさん「空気。」

 Bさん「その空気を、例えば長野の高原の爽やかな空気とか、

     雄大なナイアガラの滝の空気とか、

     そう言うのを使えば付加価値になるんじゃない?

     ただの緩衝材にお金を取る価値が出るんじゃない?」

 Aさん「えぇー・・・うーん・・・どうかな・・・?」

 Bさん「え? あんまり阿部さん的には引っかからないかな?」

 Aさん「だってホントに高原の空気かどうかとか解らないじゃん・・・」

 Cさん「それはもう

     ミネラルウォーターだってホントはただの水道水なんじゃないかとかと

     同じレベルの話じゃない。

     そこは生産者側を信じるしかないわよ。」

 Aさん「まあ・・・言われてみれば確かに・・・。」

 Bさん「しょうがないなぁ。

     そんな阿部さんでもググッと惹かれるタイプのアイディアも

     ちゃんと用意してるよ。」

 Aさん「えっ・・・なにそれ?」


 Bさん「ズバリ

     『現役JKバイトが

      自分の息で膨らませた緩衝材』。」

 Aさん「とんだ変態じゃないか。」


 緩衝材だけのオーダーはできません。


----------

「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/08/24.html


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ