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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年8月
214/366

【揺花草子。】<その1648:80年くらい前の流行り。>

 【揺花草子。】<その1648:80年くらい前の流行り。>


 Bさん「今日から8月です。」

 Aさん「今日から8月ですね。」

 Bさん「これまで毎年のように言ってますけれども、ぼくは常に、

     8月にはある種の目標を立てて挑んでいる。」

 Aさん「ある種の目標って・・・あの・・・」

 Bさん「どうやら阿部さんはもうお分かりのようだね。

     そう、毎年8月にぼくが立てる目標、それこそ、

     『8月の風を両手で抱きしめる』と言うこと。」

 Aさん「・・・うん・・・。」

 Bさん「でもさ、毎年のように言ってるけど、毎年全然成し遂げられていないのです。」

 Aさん「はぁ・・・。」

 Bさん「今年こそは!と思って入念に準備するも、ぼくがこの両手を広げて

     8月の風を抱きしめようとすると、

     8月の風はぼくの手をするりとすり抜けて

     まるで陽炎のように消えてしまう。」

 Aさん「はぁ・・・。」

 Cさん「どうでもいいけど艦これならかげぬい推しです。」

 Aさん「あなたの推しCPはホントにどうでもいいので黙っててください。」

 Bさん「とにかく何度挑んでも、幾度となく夢破れるこの願い。

     これはきっと、ぼくにはこれを実現するだけの力がないのだと思った。」

 Aさん「実現する力がない・・・?」

 Bさん「つまりは分不相応と言うわけだよ。

     望みすぎてる。大それてる。

     最初から叶わない夢なんだ。

     クリリンさんがフリーザと立ち向かうようなものだよ。」

 Aさん「いや・・・8月の風を抱きしめるのがそんなに大それたことか・・・?」

 Cさん「もう少し解りやすく言うなら、阿部さんが定職に就くことと同じぐらい

     大それてるってところかしら。」

 Aさん「なに言ってくれてるんです!? きちんと働いてますよ!!?」

 Bさん「ともかく、叶わない夢にいつまでも拘泥し時間を無駄にするほど

     ぼくは愚直じゃないし、そんな若さはもうない。

     そんな季節は過ぎ去った。

     この夢は諦めようと思う。」

 Aさん「いや・・・10代半ばの前途ある若者には相応しくない賢さだなぁ。

     どんな夢でもまだ挑み続けて良い頃合いだと思うよ・・・?」

 Bさん「いや、いいの。もう8月の風のことは忘れるよ。

     代わりにゼブラのストライプを駆け抜けることに全力を挙げたい。」

 Aさん「あぁ・・・そうなの?」

 Bさん「とは言ったけど、これはこれでまた敷居が高い。」

 Aさん「そう? 横断歩道を駆け抜けるのが難しい?」

 Bさん「なに言ってんの。みだりに横断歩道を走るのは危険だよ。

     横断前にきちんと左右を確認して、車が来てないあるいは停止しているのを

     確認してから渡らないと。」

 Aさん「あぁ・・・そう言う観点・・・?」

 Bさん「だからゼブラのストライプを駆け抜けるのも難しい。」

 Aさん「うーん・・・。」


 Bさん「なのでダズル迷彩の上を走ろうと思う。」

 Aさん「そっちの方が難しいだろ!!!」


 レッドブルもやったことがあるそうです。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/08/01.html


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