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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年7月
204/366

【揺花草子。】<その1638:人類への提言。>

 【揺花草子。】<その1638:人類への提言。>


 Bさん「この数10年で社会システムは目覚ましい進歩を遂げましたね。」

 Aさん「え? なに唐突に?」

 Cさん「阿部さんみたいな社会不適格者もきちんと社会参画できる素地があると言う

     そこだけをとって見ても現代社会の高度な発展が窺えると言うものだわ。」

 Aさん「ちょっと!! なに言ってくれてるんです!!?」

 Bさん「ほんの100年ぐらい前は人はぶっちゃけもっと早く死んだし、簡単に死んだ。

     でも今は、少なくとも先進国と言われる国々では、

     多くの人々が寿命をまっとうできるような社会システムになっています。」

 Aさん「まあ・・・そこまで至れていない国や地域もまだまだあると思うけどね・・・。」

 Bさん「そうまで高度に発展した現代社会においても、いやむしろ高度に発展したがゆえに、

     我々人類は依然として解決できていない大きな問題を抱えています。」

 Aさん「大きな問題・・・とは?」

 Bさん「それ即ちごみ問題です。」

 Aさん「あぁー・・・確かに。」

 Cさん「ここ10年ぐらいの推移でみればごみの総排出量は減って来てはいるんだけれども、

     それでも日本国民1人あたりのごみの排出量は世界ダントツ1位なんですって。」

 Aさん「うーん・・・それは不名誉な記録だなぁ・・・。」

 Bさん「それはいけないってんでここ最近は盛んに

     ごみの減量やリサイクルが叫ばれてるね。

     必要なものは買って不必要になったらすぐ捨てる、みたいな

     大量生産大量消費な刹那的な生き方はいけませんよ。と言うわけだ。

     刹那さを消せやしませんよ。と言うわけだ。」

 Aさん「またそう言うクッソ古いネタをブチ込んで来るね・・・。」

 Bさん「中でも、家庭から出るごみの多くを占めるのが生ごみです。

     自治体によっても違うけど、家庭ごみの2〜5割が生ごみだと言われてるよ。」

 Aさん「あぁー・・・。」

 Cさん「そして統計によれば、その生ごみのうち2割ほどは

     まだ食べられるものであると言うわ。

     これはいわゆる『食品ロス』と呼ばれてて、この削減が喫緊の課題として

     行政がいま必死で取り組んでる分野なの。」

 Aさん「ああ、はい、聞いたことあります。」

 Bさん「とは言えじゃあ行政がなんとかしてくれるかって言うと、

     やっぱりそればかりじゃダメなんだよ。

     消費者ひとりひとりがきちんと問題意識を持って、

     ごみを出さないような暮らしをしなきゃいけませんよ、って言うね。」

 Aさん「まあ、それは確かにそうだよねぇ。」

 Bさん「そうそう。

     そんな生ごみを減らすために、3つの『きる』が大切とされています。」

 Aさん「3つの『きる』?」

 Bさん「まずは『食べきる』。

     食品は残さず食べてそもそもごみを出さないようにしましょうねと言うことだよ。」

 Aさん「ふむふむ。」

 Cさん「2つ目は『使いきる』。

     お野菜とか調味料とか、安いからと言っていっぺんにたくさん買って、

     結局ダメにしちゃって捨てちゃうみたいなことがあるでしょ?

     そう言うのは良くないわよってことね。」

 Aさん「なるほど、確かに。」

 Bさん「そして最後は『水をきる』。

     生ごみの量を膨らかす原因は水分が含まれてるからと言うのがその根拠だね。

     捨てる前にできる限り水切りをして、かさを減らしましょうねと言うわけです。」

 Aさん「ふむふむ。それも大切だね。」

 Bさん「けどさ、ぼくは、これら3つの『きる』よりも、

     もっと大切な『きる』があると思ってる。」

 Aさん「もっと大切な・・・?

     どんな?」


 Bさん「『生きる』。」

 Aさん「そりゃ大切だけれども!!!!!」


 命あっての物種。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/07/22.html


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