表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年6月
163/366

【揺花草子。】<その1597:即ち愛。>

 【揺花草子。】<その1597:即ち愛。>


 Bさん「『飛ぶ鳥を落とす勢い』って言う言い方するじゃない。」

 Aさん「ああ、しますねえ。

     ものすごい権勢がある様を言うよね。」

 Cさん「『この【揺花草子。】って言うコンテンツは今すごい大人気だね!

      まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだね!』なんて言うわよね。」

 Aさん「いや・・・用例としては合ってますけど

     そう言う意見を聞いたことはないですね・・・。」

 Bさん「でもさ、ぼく思ったんだけどね。」

 Aさん「なに?」

 Bさん「どんなに勢いがすごくたって、飛ぶ鳥を落とすって無理じゃない?」

 Aさん「えっ・・・いや・・・。」

 Bさん「と言うかそもそも、すごい勢いのことを飛ぶ鳥を落とすって表現すること自体が

     ちょっと意味が分かんないって言うかさ。

     鳥を落とすってどう言うことだよ、って。」

 Aさん「うーん・・・そう言われるとちょっとよく分からないな・・・。」

 Bさん「そこで例によって辻褄を合わせて行こうと思うよ。」

 Aさん「辻褄を合わせて行く。」

 Cさん「膏薬貼りの達人の面目躍如ね。」

 Aさん「そんな達人いやすぎですよ。」

 Bさん「そもそも、自在に空を飛ぶ鳥が落ちると言うのはどう言うシチュエーションかね?」

 Aさん「えっ・・・まあ・・・死んじゃったりとか気絶しちゃったりとか・・・」

 Bさん「なるほど。つまり空を飛んでる最中に急激な気圧の変化で意識を失ったり

     三大成人病のひとつとして猛威を振るう脳卒中に掛かったりとか

     そう言うシチュエーションかな?」

 Aさん「なんで鳥が成人病に掛かるんだよ。

     あと成人病って言わないからね今。」

 Cさん「でもある人の勢いがすごくて鳥が死ぬと言うのはいかにも無理筋じゃない。

     そんなのある意味風が吹いたら桶屋が儲かるレベルの話だわ。」

 Aさん「うーん・・・。

     あ、風。なるほど。

     そうかそうか、風がすごくて飛べないとか。」

 Bさん「ほほう? その心は?」

 Aさん「運が向いていることを『いい風が吹いてる』みたいな言い方するじゃん。

     その人を中心に風が吹いてて、それで飛ぶ鳥が落ちると。」

 Bさん「なるほどなるほど。それは良い解釈かも知れない。

     『いい風ね。撃ち方はじめ!』とか言うもんね。」

 Aさん「うん・・・言うね・・・。陽炎型駆逐艦9番艦の子がね・・・。」

 Bさん「でももう一歩踏み込みが欲しいかな。

     暴風の中でも必死にもがいて飛ぶ鳥だっているもん。

     風の強い日を選んで歩いて来たりするもん。」

 Aさん「何ー・バニーだよ。飛ぶって言ってるだろ。

     でも、うーん・・・。あとはなんだろう・・・。」

 Bさん「逆に考えればいいんだよ。」

 Aさん「逆に。」

 Bさん「鳥が飛べないシチュエーション、もちろん風とか意識を失うとかあるけど、

     もっと根本的な。」

 Aさん「根本的・・・?」


 Bさん「重力が100倍になるとか。」

 Aさん「飛べないどころの話じゃない!!!」


 全てを惹きつける引力。


----------

「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/06/11.html


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ