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【揺花草子。】＜その1450：べしゃり暮らし。＞

　Ｂさん「うまいこと言いたい。」

　Ａさん「えっ・・・はぁ・・・。」

　Ｃさん「なによ阿部さんその気の抜けた返事。

　　　　　まるでコップに注いだまま一晩放っておいたコーラね。」

　Ａさん「なに無理やりうまいこと言おうとしてるんです！？

　　　　　別にうまくないですし！！」

　Ｂさん「やっぱりね、話がうまい人って言われるには

　　　　　相手が言ったことに対してパッと面白い返しができるようにならないと

　　　　　ダメだと思うんだよ。」

　Ａさん「うーん、まぁ、そうだろうねぇ。」

　Ｂさん「阿部さんの話がつまらないからいつまで経ってもこんなに低空飛行なんだ。」

　Ａさん「あれぼくのせいなの！？　その点においては責任は二分、

　　　　　あるいは現時点では三分されてるんじゃないの！？」

　Ｃさん「ゲストである私に応分の責任を負わせようとする阿部さんの

　　　　　不義理さと言ったらないわね。」

　Ａさん「なんでこんな時だけゲスト面なんです！！？」

　Ｂさん「とにかく、うまいことを言えるようになりたいの。」

　Ａさん「はぁ・・・。」

　Ｂさん「例えば鶴瓶師匠のような。」

　Ａさん「なんで鶴瓶師匠なの？　一流の芸人さんの話術に追いつこうとしてるの？

　　　　　そんなの茨の道過ぎない？」

　Ｂさん「阿部さんはそうやって出来ない理由を並び立てるのだけは一丁前だね。

　　　　　ネガティブ成分の押し売りやめてください。ネガティブマートか！」

　Ａさん「い・いやっ！！　そう言うわけじゃ・・・！！」

　Ｂさん「じゃあなんでぼくが鶴瓶師匠なみの話術を目指しちゃだめだって言うのさ。

　　　　　『アマチュアだから』『芸人さんじゃないから』

　　　　　そんなことが面白い話できるようになりたいと言う目標を

　　　　　断念する理由になるの？」

　Ａさん「いや・・・ごめん、ちょっと軽率だったよ・・・。」

　Ｃさん「ホント阿部さんはいつでも軽率よね。

　　　　　さながら軽自動車からリッター車に乗り換えるみたいな。」

　Ａさん「軽卒って言いたいんです！！？

　　　　　初めて聞きましたけどそんな言葉！！

　　　　　そして良くぼくもその意図を汲めたもんだなと我ながら驚きですけど！！

　　　　　そしてちょいちょいうまいこと言おうとしてるのが癇に障りますね！？」

　Ｂさん「とにかく、うまいことを言えるようになりたいんです。」

　Ａさん「は・はぁ・・・。」

　Ｂさん「最近ちょっと練習してるんだよ。」

　Ａさん「練習、ですか・・・？」

　Ｃさん「良かったら阿部さんも練習に付き合ってあげてくれないかしら？」

　Ａさん「はぁ、まぁ、いいですけど・・・。」

　Ｂさん「阿部さん阿部さん。」

　Ａさん「な・なに？」

　Ｂさん「ここだけの話、がっぽり稼げる

　　　　　儲け話があるんだけど・・・」

　Ａさん「うまい話言い出した！！！！！」

　そう言うのではない。

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