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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年6月
157/366

【揺花草子。】<その1591:ティヌス。>

 【揺花草子。】<その1591:ティヌス。>


 Bさん「今日は時の記念日なので時間に関するお話をするよ。」

 Aさん「いや時の記念日ではないだろ。

     時の記念日は6月10日だろ。」

 Cさん「ほら実際の収録日と公開日とは少しズレがあるから。」

 Aさん「逆方向じゃないですか!?」

 Bさん「ともあれ時間に関するお話ですよ。

     阿部さんはスウォッチ・インターネットタイムって知ってる?」

 Aさん「ん・・・? スウォッチ・・・何って?」

 Cさん「スウォッチ・インターネットタイムよ。」

 Aさん「スウォッチって・・・あの時計メーカーの?」

 Bさん「そうそう。」

 Aさん「それは知ってる。

     けどその次のインターネットタイムと言うのが分からない。」

 Bさん「ここでクイズです。1日は何秒でしょう?」

 Aさん「えっと・・・1日って1太陽日って意味じゃなくて暦日って意味で良いんだよね?

     だとすれば86,400秒だねぇ。」

 Bさん「おぉ〜。さらっと出るねぇ。」

 Aさん「そりゃもうそう言う数字を扱う機会も多いしね・・・」

 Bさん「あのね、この86,400と言う数字はどこから出て来たもの?」

 Aさん「えっ・・・それはもちろん、1分が60秒で、1時間は60分で、1日は24時間だから

     60×60×24で86,400ってことだけど・・・。」

 Bさん「だよね。

     では次のクイズです。」

 Cさん「なぜ1日を24時間に分けたのかしら?」

 Aさん「えっ・・・うーん・・・。

     良く分からないですね・・・。

     でもたぶんすっごい昔からそうだったんじゃないですかね。

     それこそ人類文明の黎明期ぐらいのレベルの話なんじゃないですか?

     天体観測の産物と言うか・・・」

 Bさん「そうだね。見えないものを見ようとして望遠鏡を覗き込んだりしたんだろうね。」

 Aさん「静寂を切り裂いていくつも声が生まれたりするのかよ。

     文明黎明期って言ってるだろ。

     望遠鏡が発明されてからまだたった400年くらいしか経ってないだろ。」

 Bさん「でもまあ、正直よく分かんないみたいなんだよね。

     月の巡りが12回来るとまた星がおんなじ所に来るらしいと言う経験則から

     1年を12に分けて、その12と言う数字を1日にも応用した・・・とか

     そんな感じとかなんとか・・・。」

 Aさん「はぁ。」

 Bさん「ぶっちゃけ分かりづらいじゃない?」

 Aさん「えっ・・・うーん、そうかな?」

 Cさん「そこで考え出されたのが件のスウォッチ・インターネットタイムよ。」

 Bさん「スウォッチ・インターネットタイムでは、

     秒とか分とか時とかの単位を取っ払って、『beat』と言う単位で1日を分割する。」

 Aさん「ビート?」

 Cさん「1日、この1日は正確に86,400秒を表す1日だけど、この1日を

     スウォッチ・インターネットタイムでは1,000beatに分割するって言う数え方なの。」

 Aさん「1日が1,000beatか・・・確かに分かりやすくはあるね。

     でも実際に日常に使えるかと言うと・・・」

 Bさん「それは認識の違いと言うやつだよ。

     ぼくらは1日が24時間だと言う共通認識で既に行動しているけれども、

     それはそう言うものだと刷り込まれているからでしょ。

     最初から1日が1,000分割されているとすれば、それに合わせた暮らしをしますよ。」

 Aさん「まあ・・・それはそうだね。」

 Cさん「でね、このスウォッチ・インターネットタイムは、

     私達が普段使ってる時間とは違って、いわゆる現時時間って言う概念がないの。」

 Aさん「ローカルタイムが? ない?」

 Bさん「我々の時間では、例えば日本が午前9時ならイギリスは午前0時になるよね。

     これは日本標準時(JST)とイギリスのグリニッジ標準時(GMT)との間で

     9時間の時差があるからだ。

     でもスウォッチ・インターネットタイムではこう言うのがなくて、

     世界共通で同じ時計なわけ。」

 Aさん「うーんと・・・つまり、時分秒とbeatの関係は地域によって異なるってこと?」

 Bさん「その通り。

     例えば@000beatは、日本では午前8時を表すんだって。」

 Aさん「ん、て言うことは、日本と時差が8時間あるところが基準になってるってこと?」

 Cさん「あら、鋭いわね阿部さん。

     日本と時差8時間って言うとどこに当たるか分かる?」

 Aさん「えっと・・・イギリスが9時間だから、もう少しヨーロッパ大陸寄りですよね。」

 Cさん「厳密に言えば中央ヨーロッパ時間(CET)ね。

     イギリスやポルトガルを除く大部分のヨーロッパ諸国で

     使われているタイムゾーンよ。」

 Aさん「ふむふむ。」

 Bさん「これはね、つまり、スウォッチ社の本社があるスイスのビールと言う街の時間を

     基準にしてるってことなの。」

 Aさん「あぁ、なるほど。そう言う言い方だと腑に落ちると言うか、なるほどって感じ。」

 Bさん「これを、『ビール標準時』と呼ぶんだって。

     略して『BMT』。」

 Aさん「BMT。」


 Bさん「『ブリジットさん(B)マジ(M)天使(T)』の略ね。」

 Aさん「『ビール標準時』って言ってるだろ。」


 『Biel Mean Time』。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/06/05.html


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