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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年5月
152/366

【揺花草子。】<その1586:ローカルトーク。>

 【揺花草子。】<その1586:ローカルトーク。>


 Bさん「『にしむくさむらい』ってあるじゃない。」

 Aさん「あぁ・・・うん、聞いたことはある。」

 Cさん「語呂合わせなんだけどね。

     『二、四、六、九、十一』ってことなんだけど。」

 Aさん「『さむらい』で『十一』なのは・・・」

 Bさん「侍、つまり武士。

     この『士』の字を分解すると『十』と『一』に分けられるから、

     それで『さむらい』ってわけ。」

 Aさん「なるほどねぇ。うまいこと考えるもんだね。」

 Bさん「この言葉って、どういう意味か知ってる?」

 Aさん「えっ・・・うーん、そう言われると・・・。

     侍が西を向けば刀は東を向く的な?」

 Bさん「そんな『犬が西向きゃ尾は東』的なやつじゃないよ。

     これはね、『2月、4月、6月、9月、11月』と言う意味なの。」

 Aさん「んん・・・???」

 Bさん「あのね、もっとちゃんと言うと、

     いわゆる『小の月』の覚え方なんだって。」

 Aさん「あぁ、なるほどなるほど。

     確かにさっき挙げた2月とか4月とかは31日までない月だね。」

 Bさん「言われればなるほどねって思うけど、

     阿部さんはこの言葉の意味知らなかったじゃない?」

 Aさん「うん、知らなかった。

     割と雑学に通じてる方だと自分では思ってたんだけど、

     ぼくもけっこう大したことないな。」

 Cさん「私やブリジットを前にして雑学に通じてるとか

     自信満々に言っちゃうメンタリティすごいわね。」

 Aさん「イヤッ!! そりゃあなたたちは特殊すぎる例ですよ!!

     志向性はあるけれども突き抜けた知識をお持ちですよね!!?」

 Bさん「でもね阿部さん、これに関して言えば、

     決して阿部さんの浅学を恥じる必要はないよ。

     この『にしむくさむらい』って言う小の月の覚え方は、

     もっぱら西日本でしか使われてないみたいなんだよ。」

 Aさん「あぁ・・・そうなの?」

 Bさん「そうなんだって。

     Eテレの『にほんごであそぼ』で取り上げられていたからぼくも知ってたけど、

     それで知る前はぼくも知らなかったからね。」

 Aさん「なるほど。さすがEテレマニア。」

 Bさん「東日本、と言うかどれぐらいの範囲でなのかは分からないけど、

     ぼくら的には、手をグーにして指の付け根のでっぱりと指の間の凹みを

     数えるやり方が小の月の覚え方としてはメジャーだと思うんです。」

 Aさん「ああ、うん。ぼくもその覚え方で覚えてるもん。」

 Bさん「でもこんな風に『にしむくさむらい』が小の月の数え方業界を席巻したら、

     手をグーにするやり方は早晩廃れてしまうかも知れない。」

 Aさん「小の月の数え方業界とは・・・。

     でもあれかな、それは以前もきみが言ってた

     マスメディアの発展に伴う都市部と地方の平準化ってやつかな?」

 Bさん「そうだね。今回の事例は都市部と地方ってわけではないけど、

     一部の地域の風習が全国に均質化することを危惧すると言う点では

     同じかも知れない。」

 Aさん「うーむ。」


 Bさん「このままだとぼくらの街でも

     『ごみを投げる』なんて

     言わなくなっちゃうかも知れないね。」

 Aさん「きみ世代でも『ごみを投げる』とか言うの!!?」


 わげすたずのサンプルが少ない。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/05/31.html


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