【揺花草子。】<その1449:鎖につながれてはいる。>
【揺花草子。】<その1449:鎖につながれてはいる。>
Bさん「子供のころぼくは魔法使いだったんだよ。」
Aさん「えっ・・・うーん・・・魔法少女?」
Bさん「魔法使いだって言ってるでしょうがなに聞いてんの?
耳の穴から指つっこんで奥歯ガタガタ言わせてやろうかこらぁ!!」
Aさん「怖いこと言わないでよ!!!
第一奥歯をガタガタ言わせる必要はないよ!!」
Cさん「じゃあ膝枕して耳そうじしてやろうかこらぁ!!」
Bさん「ちょっ!!////」
Cさん「そして綿棒で奥歯ガタガタ言わせてやろうかこらぁ!!」
Aさん「耳の穴から綿棒で奥歯まで届かすのはかなりの難儀ですよ!!!
と言うか人体構造的にたぶん無理ですよ!!」
Bさん「とっとにかく、ぼくは魔法使いだったんです。」
Aさん「はぁ・・・そうなんだ?
どんな魔法が使えたの?」
Bさん「あのね、『バーサク』って魔法知ってる?」
Aさん「あぁ・・・FFの?」
Bさん「そうそう。
対象の理性を消し去って闘争本能丸出しの状態にするやつ。」
Cさん「味方にかければ物理攻撃しかできなくなる代わりに攻撃力が上がるのよね。
逆に特殊攻撃が厄介な敵に掛けて物理攻撃だけに行動を限定したりもできる。」
Aさん「ふむふむ。
それを、ブリジットが使えたの?」
Bさん「使えたの。」
Aさん「うーん・・・詳しく。」
Bさん「あのね、子供のころ住んでたあたりの近所に、犬を飼っている家があってさ。」
Aさん「子供のころ住んでたあたり?」
Cさん「私たちってこの街に来てもうけっこう長いけど、
その間に何回か住むところ変わってるの。」
Aさん「あ、そうだったんですか。それは知りませんでした。」
Bさん「とにかく、近所の犬を飼ってる家ですよ。」
Aさん「はぁ、うん。犬ね。」
Bさん「子供目線だったせいもあるのかも知れないけど、やけに大きい犬でさ。
しかも犬小屋が道路っぱただったものだから、
触ろうと思えば触れるぐらいの距離。」
Aさん「ほほう。」
Bさん「でね、ある日学校の帰り道、ぼくはその犬の前を通りかかったわけ。
犬はぽかぽか陽気に誘われて犬小屋ですやすや気持ち良さそうに寝てたの。」
Aさん「なるほど。」
Bさん「そこで幼女ブリジット生来の悪戯心が鎌首をぐいともたげたわけだ。
ここで覚えたてのあの魔法を試してみよう、と。」
Aさん「えっ・・・それって・・・」
Bさん「そう。勇んで唱えたわけ。
『バーサク!』」
Aさん「お・おぉ・・・。」
Bさん「寝起きの犬にめっちゃ吠えられた。」
Aさん「だろうね!!???」
その魔法は阿部さんも使えるやつ。
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