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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年5月
136/366

【揺花草子。】<その1570:集合知を引き出す。>

 【揺花草子。】<その1570:集合知を引き出す。>


 Bさん「昨日もちらっと話をしたけど、今年は『VR元年』になるかと言われているようだよ。」

 Aさん「まぁ・・・そうだね。確かにこのところそこらへん界隈はかなり盛り上がってるね。」

 Cさん「いわゆるHMDヘッドマウントディスプレイの最新バージョンが

     次々リリースされているものね。」

 Aさん「そうですね。」

 Bさん「でも正味な話、ぼくはVR元年と呼ぶほどの広がりは実現しないと踏んでますよ。」

 Aさん「そうなの?」

 Bさん「だってさ、昨年いろんなメーカーが肝いりでリリースしたスマートウォッチの類だって

     ぜんぜんキャズムを超えられてないじゃない。

     腕に着ける時計でさえこうも受け入れられないものを、

     頭につけなきゃいけないアイテムが幅広く受け入れられるなんてとても思えないよ。」

 Aさん「うーん・・・それはまあ、尤もな意見だなぁ。」

 Bさん「そしてぼくは今のHMDスタイルのギアは

     最終的には一部の好事家のための玩具に留まるんじゃないかと思ってる。

     それこそスマートウォッチが目指すような、日常生活に溶け込むような未来は

     来ないと思うよ。」

 Aさん「そう・・・かな?」

 Cさん「だって、考えてもみてよ。

     道行く人々がみんなあんな大袈裟なHMDを身に着けて歩くような世界が

     本当に来ると思う?」

 Aさん「いや・・・確かにそれはちょっとおかしい感じがしますねぇ。

     でもHMDが目指すところってそこじゃないんじゃないんです?

     生活に溶け込むと言うよりは、エンタメなどの分野でリビングや自室で

     それこそ仮想世界に没入するのが目的だと思うんですけど・・・。」

 Bさん「SAOの世界のように?」

 Aさん「まあ、そんな感じかな。

     SAOで描かれた『ナーヴギア』はゲームハードだったけど、これって今

     SCEさんが『PlayStation VR』でやろうとしていることと同じだよね。」

 Cさん「実際今の時点で映像コンテンツを楽しむためとか、

     医療分野での応用、軍事分野での応用なんかが使用例として挙がってるわね。」

 Bさん「ぼくら的に言えばドラゴンボールのスカウターなんかも

     広義のHMD型VR端末と呼べるよね。」

 Aさん「なるほど確かに。

     スカウターはどちらかと言うと現実に拡張情報をもたらすタイプの機器だよね。

     VRと言うよりはAR。」

 Bさん「『電脳メガネ』的なね。」

 Aさん「うんうん。」

 Bさん「HMDが広範に受け入れられる道があるとすれば、ぼくはそっちだと思ってる。

     メガネのようなごくありふれた形状のデバイスに情報を投影するスタイル。

     例えば自動車のフロントガラスやバイクのシールドにナビや交通情報コンテンツが

     リアルタイムに投影できるような仕組みができたらけっこう流行りそうな気がするよ。」

 Aさん「おぉ・・・なるほど、それは良いかも知れないね。」

 Cさん「他にも目の前にある花や鳥をオンラインで画像認識して、

     その名前や概要がパッと出て来たりしたらすごく良いわよね。」

 Aさん「おぉ・・・それはすごいですね・・・!

     既存技術の組合せで割とあっさりできちゃいそうな気もしますし・・・!」

 Bさん「そう言う、生活を助ける補助情報を

     リアルタイムに得るためのツールとして使えればさ。」

 Aさん「うん。」


 Bさん「もうあの日見た花の名前を僕達はまだ知らないとは

     言えなくなっちゃうよね。」

 Aさん「そう言う用途なの!!???」


 それでも『あの花』の輝きは失われない。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/05/15.html


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