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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年5月
128/366

【揺花草子。】<その1562:燃えよ剣。>

 【揺花草子。】<その1562:燃えよ剣。>


 Bさん「今日は5月7日なのでゴナの話をしますよ。」

 Aさん「ゴナ・・・? ゴナって?」

 Cさん「阿部さん知らない?

     写研さんのゴナ。」

 Aさん「えっ、フォントのゴナの話ですか?

     マニアックにも程がないですか?」

 Bさん「フォント業界もいろいろ趨勢があるみたいだよね。

     かつては写研さんが写植分野で圧倒的なシェアを誇ってたんだけど、

     DTPが普及するにつれて競合他社にシェアを明け渡してしまっている。」

 Cさん「同じゴシック体なら写研さんのゴナよりもモリサワさんの新ゴの方が

     最近は多く用いられているみたいだからね。」

 Aさん「(ホントにマニアックな話だけど大丈夫なのかな・・・)」

 Bさん「でさ、阿部さん、この『ゴナ』って言うフォントの名前なんだけど、

     どう言う意味だと思う?」

 Aさん「えっ、意味?

     『ゴナ』の『ゴ』は『ゴシック』って意味だよね?

     『ナ』は・・・なんだろう・・・。」

 Cさん「『なんだろう』の『ナ』のわけないじゃない。

     『ゴシックなんだろう』って意味不明よ。」

 Aさん「いやそう言う意味で言ったんじゃないですよ!?」

 Bさん「この『ナ』はね、実はフォントをデザインした『中村さん』と言う人の

     名前からとられてるんだって。」

 Aさん「あ、そうなんだ? 『ナカムラゴシック』ってことなんだ?」

 Bさん「それなら『ナゴ』じゃないのかとは思うけど、まあそう言うことみたい。」

 Aさん「へぇ・・・。」

 Bさん「ゴナには他のたくさんのフォンと同様にバリエーションがあるのね。」

 Aさん「いわゆるフォントファミリーってやつだよね。」

 Bさん「そうそう。最初にできたのは見出しなどで使われるのを想定した

     超太ゴシック体『ゴナU』。

     その次にそれよりも少し細い『ゴナE』がリリースされ、

     『ゴナM』、『ゴナDB』などのバリエーションが生まれたんだって。」

 Aさん「ふむふむ。」

 Cさん「さらにいわゆる『袋文字』であるアウトライン書体『ゴナO』と言うものもあるのよ。」

 Bさん「一般にさ、フォントバリエーションは記号で区別されるよね。

     『R』はレギュラー、つまり普通のウェイト。

     『H』はヘビー、太文字の意味。

     『U』はウルトラってことで、すごく太い文字に冠されることが多いね。」

 Cさん「逆に『E』や『L』はウェイトが細いバリエーションに付けられるわね。」

 Aさん「ええ、そうですね。」

 Bさん「そんなわけで、ぼくもナカムラ先生にあやかって

     フォントのデザインをしてみようと思ったよ。」

 Aさん「あぁ・・・思っちゃったか・・・。

     なに? 『ブリジットゴシック』とか?

     ゴナ風に言えば『ゴブ』?」

 Bさん「ううん、ぼくのような貞淑可憐な女子にはちょっと

     ゴシックのデザインは荷が勝ちすぎているよ。

     ここは流麗可憐な明朝体をデザインしようと思って。」

 Aさん「へぇ・・・つまり『ブリジット明朝』ってこと?」

 Bさん「そうそう。そしてバリエーションとしてレギュラーアウトライン、

     つまり『ブリジット明朝RO』とかを作りたい。」

 Aさん「ブリジット明朝RO・・・。」


 Bさん「製品名は『ミブロ』。」

 Aさん「壬生狼!!???」


 尖ってそう。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/05/07.html


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