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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年5月
126/366

【揺花草子。】<その1560:そこらへん自由自在。>

 【揺花草子。】<その1560:そこらへん自由自在。>


 Bさん「『柱のキ〜ズ〜は〜おとと〜いの〜〜〜〜〜〜〜

      ご〜が〜つ〜いつか〜の〜せいくらべ〜』って歌あるじゃん。」

 Aさん「ありませんよ。

     おとといは5月3日だよ。」

 Cさん「だからこの歌は5月7日に歌う歌なんでしょ?」

 Aさん「違いますよ!?

     たった2日で背が伸びるわけないでしょ!」

 Bさん「まあそんなわけで今日は阿部さん大好き子供の日。」

 Aさん「明らかに悪意を含有する枕詞を付けるのやめてもらって良いですかね・・・。」

 Bさん「子供の日は、まあその名の通り、子供の成長を祝う日じゃないですか。

     元々は『端午の節句』として男児の健やかな成長を祈る日だったわけですが。」

 Aさん「そうですね。」

 Cさん「現在の祝日法では

     『こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する』と

     定められているわ。」

 Aさん「ふむふむ。」

 Bさん「お子様にとってこの子供の日と言うのは、

     誕生日に次いで、わがままを通しやすい日ですね。」

 Aさん「えっ子供目線だとそう言う位置づけなの?

     そんな子供らしからぬ打算が見え隠れする日なの?」

 Bさん「まあそれは半分冗談としても、どっちにしてもこの日は

     わりかしお子様は優遇されたりする日です。」

 Cさん「動物園もタダになったりするしね。」

 Aさん「ああ、そう言えばそうですね。

     でも毎年この時期は動物園周辺の道路が酷い渋滞になるんですよね・・・。」

 Cさん「今年からは地下鉄もできたしそこらへんは改善するんじゃないかしらね。」

 Aさん「だといいですけど。」

 Bさん「どうせ動物園なんて行かないし阿部さんには関係ないでしょ?」

 Aさん「(行かないけどな!! 分かってるけどな!!!)」

 Bさん「とにかく子供の日。

     この日ばかりは普段やんちゃな悪ガキも蝶よ花よと愛でられるわけですけれども、

     幾年かの時を過ごすうち、その扱われ方に違和感を覚え始めるかも知れない。」

 Aさん「えっ・・・なにどう言うこと?」

 Cさん「例えば、同じく子供の成長を祝うイベントとして『七五三』があるわよね。

     あれは明確に『7歳、5歳、3歳』と言うピリオドが決まってるじゃない。

     6歳の子供は祝って貰えないし、8歳以上の子供はもうその先ずっと

     七五三には縁がなくなる。」

 Aさん「まあ・・・。」

 Bさん「でも、子供の日に関しては、何歳までと言う明確な基準はないよね。

     法的に成人になるのは現行法では20歳だからそれより若ければ

     子供の日の対象になると言う論理も通りうるし、

     自動車の免許が取れるようになったりするなど

     色んな面でできることが増えてくる年齢は18歳。

     義務教育期間はどうやっても保護者の監督が必要なわけだから、

     それを終えるまで、つまり15歳までは子供と見做す見方もある。

     古来より続いていた元服に由来する立志式を14歳、つまり中学2年生の時に

     執り行う中学校もあるよね。」

 Aさん「立志式はかなり地域によるらしいけどな。」

 Bさん「とにかくそんな風に、子供が大人に近付いて行く微妙な年頃になると、

     『果たしてぼくは私は子供の日にお祝いしてもらう対象なのだろうか?』と言う

     思春期特有の自意識の発露なんかが現れたりするんじゃないかな。」

 Aさん「まぁ・・・確かにそう言うのはあるかも知れないね・・・。」

 Bさん「そう言う意味では、子供の日のお祝いができるのは

     ほんの数年と言うことになりそうだ。

     親御さんにはそれをちゃんと意識して、ないがしろにしないで欲しいんだよね。」

 Aさん「それは、確かにそうかも。

     中学生ぐらいまでなっちゃったら『もう子供じゃねーし』とか言い出しそうだもんね。」

 Bさん「だよね。

     『もう子供じゃないったら! 一人前のレディとして扱ってよね!』とかね。」

 Aさん「いやそれは完全に子供の子のセリフだよ。背伸び幼女駆逐艦のセリフだよ。

     難しいことを言おうとして噛んじゃう子のセリフだよ。」

 Bさん「まあそれはそれとして、今日は子供の日なので。」

 Aさん「はぁ。」


 Bさん「ぼくは阿部さんに対して

     相応の丁重な扱いを要求するよ。」

 Aさん「きみの年頃の子に対してか!!!!!」


 特技は子供と大人を使い分けることです。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/05/05.html


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