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【揺花草子。】(日刊版:2016年)  作者: 篠木雪平
2016年4月
121/366

【揺花草子。】<その1555:社会性。>

 【揺花草子。】<その1555:社会性。>


 Bさん「公園に行きましょう。」

 Aさん「こっ・・・公園ですか?

     どこの公園?」

 Bさん「公園に着いたなら輪になり踊りましょう。」

 Aさん「あぁ・・・そう言うやつね・・・。」

 Cさん「坂田さんのポップセンスはすごいわよね。圧倒的だわ。」

 Aさん「まあ、確かに。」

 Bさん「あのね、この前あるお休みの日、ぼく、

     ちょっと用事があって街まで出かけたんです。」

 Aさん「ほほう。お休みの日にお出掛けするなんて随分珍しいこともあったもんだね。」

 Bさん「ぼくのことをそんな引きこもりガールみたいな言い方しないで欲しいなぁ。」

 Aさん「違うと言うの?」

 Bさん「なに言ってくれちゃってんの。

     お休みの人かだいたいデートですよ。」

 Aさん「えぇ〜・・・。」

 Bさん「・・・画面の中とか脳内とかでは。」

 Aさん「まあそうだと思ったけど。」

 Bさん「とにかく、その日はホントにちょっと用事があって街に出掛けたの。

     天気も良くてあったかかったし、すごく爽やかな日だったんだよ。」

 Aさん「ふむふむ。」

 Bさん「で、歩き疲れたから、ちょっと公園で一休みしようと思ってさ。

     少し公園のベンチに腰を落ち着けた次第です。」

 Aさん「うん。」

 Bさん「普段はあんまり見る機会もないけどさ、なんだかんだで公園とかって

     鳥とか虫とか、場所によっては魚とか、多様な生物が住んでますよね。」

 Aさん「あぁー。うん、確かに普段は意識することはほとんどないけどね。」

 Bさん「ベンチに座って一休みしてたら、足元をひっきりなしに

     アリが歩き回ってるのに気付いたわけ。」

 Aさん「ほほう。」

 Cさん「アリでさえあんなに一生懸命働くって言うのに阿部さんと来たらね。

     アリさんとアベさん、たった1字違うだけなのに労働に対する意欲はえらい違いだわ。」

 Aさん「随分な言われようですけど!!???」

 Bさん「食料を探したりなんかいろいろしてると思うんだけど、あちこち歩き回るアリは、

     段差とか関係なしにどんどん進んで行くじゃない?

     気付いたら何度か脚に上がって来たりとかもしたの。

     なんかこそばゆいな〜と思ったらアリがふくらはぎとか歩いてるんだもん、

     びっくりしちゃった。」

 Aさん「あぁ・・・まあ、あるだろうねぇ。」

 Cさん「アリになりたいとか思った?」

 Aさん「思わないですけど!!?」

 Bさん「でもさあ、ぼくはすぐ気付いてアリを払ったけど、例えば足じゃなくて

     傍らに置いていたバッグや服の裾とかに付いていたりしたらさ、

     きっと気付けないと思う。」

 Aさん「それは・・・まあ確かに。」

 Bさん「で、そのまま気付かずに移動すれば、当然引っ付いていたアリも

     付いてくるわけじゃないですか。」

 Aさん「うんうん。」

 Bさん「それで、例えば別なところに腰を落ち着けたりとか、

     あるいは単純に歩いている最中に落ちたりとかで、

     アリが再び地上に降り立った時には

     全く見知らぬ土地に連れて行かれたことになりますね。」

 Aさん「うーん・・・まあ、そう言うことになるだろうねぇ・・・。」

 Bさん「あるコミュニティの一員だったアリが、突然違うところに移動してしまった。

     新たな場所で新たなコミュニティに属することが出来ればいいけど、

     そうとは限らないじゃないですか。」

 Aさん「んん・・・。」

 Bさん「そうなればもう、寄る辺もなく力尽き果てて死に行くのみ。」

 Aさん「うわぁ・・・。」


 Bさん「でもきっと阿部さんがアリなら

     持ち前のソロ活動力で

     なんとかなりそう。」

 Aさん「持ち前のソロ活動力ってなんですかね。」


 そう言うアクティビティ。


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「Meister's Brief」から自動転送

http://www.studiohs.com/28if/brief/2016/04/30.html


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