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3.妖との戦い

授業の終わる鐘が教室中に響き渡る。

これが今日で最後の鐘。つまり今日の授業は終わりということ。

チャイムがなった瞬間、先生は教科書をパタンと閉じ

「本日の授業はここまで。」

と言ってから一同

「ありがとうございました」

と言い、先生は教室から出ていき

皆は背伸びをし始める。

それから、部活動などがある人達は一斉に教室から出ていき

残った人達は、着々と帰る準備をしている。

無論私もそう。

鞄に今日予習・復習をしようと思っている教科書を詰め込み

チャックを閉める。


「舞花!」

チャックを閉めたタイミングで有咲がバックを持ちながら私に話しかけてきた。

「今から、カフェに行かない?」

「今日予定は何も無いからいいよ。」

「ほんとに!?やったぁ!」

そう言い、満開な笑顔を見せる有咲。

それから有咲と一緒にカフェへ向かう。


「今日は梓さんいないかな?」

「いるんじゃない?」

梓さんというのは今有咲と向かっているカフェにいる

店員さん。人当たりもよく悩みとかも聞いてくれるとても良い人で、それもあってか梓さんはその店の名物となりつつある。

「今日はどんな話聞いてもらおっかなぁ〜」

「ふふ。」

他愛もないことを話しながらいよいよカフェが見えてきたその時だった。

「きゃあああ!」

ふとした悲鳴が近くから聞こえた。

「今、なんか叫び声聞こえなかった!?」

有咲も聞こえていたようで私だけにしか聞こえないという訳ではなく安心する。

おそらく叫んだのは女の子。

もしかすると妖や悪霊がいるのかもしれない。


「桜子」

そう呼べば、ふわりと紫色の霧が現れすぐに消えた後

1人の花魁が浮いた状態で現れる。

彼女の名前は前述の通り桜子。

私の武神であり、武神の最上段階(レベル)である人型の武神だ。

「呼んだか主」

「桜子、さっき女の子の悲鳴が聞こえたの。瞑想でその子がどこにいるか確かめてくれない?」

「承知した。」

桜子は目を瞑り瞑想を始める。

人型の武神の中には瞑想を使って人間の位置などを特定することができる。

しばし時間が過ぎた後、桜子は目を開ける。

「主や、もみじ公園じゃ」

桜子はもみじ公園がある方向へ指を指す。

「ありがとう。桜子」

そう言うとふわりと桜子は消えて、私はもみじ公園へ向かう。

「舞花!私も行く!」

「助かる!」


もみじ公園をつけば、予感は的中していた。

一人の小学生くらいのお下げ髪の女の子が1.5頭身くらいの丸く目があちらこちらにある妖に襲われそうになっていた。

「や、やめて…来ないで…っ」

女の子はかなりの怯えよう。

妖や悪霊には言語など通じない。問答無用に襲いかかる存在なのだ。

(あれくらいなら…私と桜子がいればすぐに片付けられるわね。)

私は桜子の肩をつつく

つつかれたことで私の方を向く有咲に私は言う。

「有咲、私はあの妖を桜子と倒すから

女の子を守ってくれる?」

「分かった!ぶちかまして!」

「言われなくてもそうするわよ。」


「ヴゥゥゥ!!」

妖は唸りながら、怯えていて動けない女の子の方へ急接近していく。

しかし、私が妖に刀で切りかかり

女の子は有咲によって妖から遠ざける。

「ヴァァァ!!」

体を半分切られたことにより妖は叫ぶ。

私は刀を1度振り回す。

「やっぱりこの刀は切れ味いいわね。」

私が持っているものは、もしも学園外で妖や悪霊に襲われた時に使うよう学園へ入学した際に貰った護身用の刀だ。

さっき、妖が女の子の方へ急接近する直前で腰に付けていた鞘袋から取り出し妖に切りかかったのだ。

使えば、今の妖のように、半分体が切れてしまうほどの威力を持っている。

「ヴゥゥゥ…」

襲う対象を女の子から私に変え、ぎろりと私を睨みつける妖。

私は余裕そうな笑みを見せる。

「あんたみたいなのに負けるもんですか!

いくよ!桜子!」

再度桜子を呼び出し、桜子は武器である鉄扇を取り出した。

妖は、私の方に急接近してくる

それを見た桜子は私の前に出てふわりと舞いながらも鉄扇で妖を切りかかった。

「ヴァァ!!」

2度体を切られ叫んでいる所で私は刀を妖に向かって思い切り振りかざした。

1つだった妖の身体が、2つに別れた瞬間

「あぁぁあ…」

先程の唸り声よりも低い唸り声を出しながらやがて灰のようになり風によって散っていき妖はあと欠片もなく消えていった。

「よしっ」

妖が消えたことにより私は刀を鞘袋にしまう。

「桜子、もういいわよ。」

「承知した。」

妖がいないことにより桜子もふわりと消えていった。

「今回も余裕で倒したじゃない」

「まあね。」

私は有咲の背中に隠れている女の子を見つめる。

どこにも傷がないため、傷を治す術は必要がなさそう。

「大丈夫だった?」

「うん!お姉ちゃんありがとう!かっこよかった!」

「そう。ありがとう。」

女の子は有咲から離れそろそろ帰るねと言いもみじ公園を去っていった。


「わあ、気づけばもうこんな夕方ね」

どうやら戦い終えた後はもう日が落ちそうな時間帯となっていた。

この時間帯になれば早く帰らないと家族(あの人達)に何を言われる。

今回はカフェに行くことはお預けとなった。

カフェに行けなかったことにより有咲はいじいじしていたがすぐに切り替える。

「今度は絶対に行こう!」

「うん分かったわ」

「じゃあね!」

「また明日」

ここで、解散し

「よしっ帰るか」

それから、私は家に戻った。



この時私は知る由もない

まさか妖で戦っていた時にあるお方に見られていたことには







ちなみに、クレナイ学園の制服は和風軍服です!



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